現在主流とされている〝一度にたくさんセットして〟という方法は、
一度にたくさん取れるので一見すると効率が良いように見えます。
でも、仮に一度に10個セットして作業したとしても、10個とも均等にパックが
できるかというとそうでもなく、実際のところは2割ほどがボツになります。
なぜかと言えば、機械的な構成上、ヒートプレートに温度のムラがでやすいとか、
ヒートプレートと木型との間で接触面のバランスによる圧力差が生じやすいため
シール不良が起きやすいという潜在的に致命的なリスクを抱えているためです。
その温度ムラを低減させるために過度なシール時間を取らざるを得ないとか、
接触面の圧力差をカバーするために数十トンという圧力をかけざるを得ないとかというのも
あるのですけどね。
突き詰めて考えると、それほど効率がいい方法とは言えません。
ただ単純に、一度にたくさんできるから効率がよい! という、実に短絡的な捉え方が
まかり通っているというわけです。
人員の問題に関しても、作業の本質をみられない(知らない)場合がほとんどです。
ブリスター包装作業を考える場合、直接、機械を操作する人だけを〝作業者〟として
見てしまうキライがあるようです。でも、これは間違った認識です。
ブリスター包装の作業は、資材を投入して箱詰めするまでが一連の工程です。
型にセットする作業、出来上がった製品取出し、箱詰めする作業。
これらの作業にかかっている人全てが、必要な人員ということになります。