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〝新しい仕組み〟を導入するときにケアしたいこと。

工場にある新しい機械や仕組みを導入する… ってなったとき、あなたの会社ではどんな感じになりますか?

こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!

受託包装を絶賛承り中です!。 お気軽に!

さて…

新しいことを始めるとき。

工場内に、ある新しい機械や仕組みをとり入れる! ってなった場合、あなたの会社はどんな感じですか? 状況的には、例えば、それへの担当を決める… などといった場合の時です。 

スタッフへ担当をアサイン(役決め)するとき、

なんで? わたしが?
勝手に決めないでください! ムリっす!

なんて状況になってないですか? もしくは、そういった状況を体験したことはないですか? 

あからさまに、『拒否』られる感じな状況。 

というか、そもそもそういった場合って、『新しいのいれるぞ!』っていう事前の話し合いとか通達とか、そういうのはされてますか?

ボクの体験。

そんな体験、ボクはしたことがあります。 前職でもありましたし、今でも… 苦笑

そもそも、新しい仕組みを入れるときって、何かしら、どこかしらで〝反発〟があります。 ボクの前職はSE(システムエンジニア)だったのですが、新しいシステムをリリースする時がまさにそれでした。

もちろん、新しいシステムについての事前の通達や話し合いはするのですけど、今までの仕組みを守る「保守派」っていうのが存在するんです。 で、推進派とのせめぎ合うという状況が生まれるという…

ボクは、新しい仕組みを創る側だったので『推進派』だったんですけどね。 保守派の方々をみていると、概ね、「新しいことを受け容れるのがとても嫌そう」で、

なんで、せなアカンねん!

と、あくまで、現状維持を貫きたいという感じでした。 彼らから出てくる言葉は、

ここらへんがあかんぽいから、使えん。
これがないからアカン。

などという言い訳ばかり。 結局、嫌だから『使いたくない』という感情を推してくるのでした。

文句の中、最終的にリリースを行って、なんだかんだと文句を言いながらでもそれを使ってみた保守派の〝誰か〟がその効果を実感して、その〝良さ〟が広まって、最終的に新しい仕組みが浸透していった… という感じでの終焉がほとんどでした。

どうすれば?

新しい仕組みを導入していく上では、

どうすればうまく使えるか? 活用するにはどうすればいいか?

という建設的で前向きな姿勢が大切になってきます。 これは、推進派であれ、保守派であれ、どちらに対しても言えることです。

今の仕事をし始めてからのこと、機械の導入に際して、時おりクライエントさんのところで上層部とスタッフ間でもめる状況に遭遇することがあります。 最悪のパターンが、経営者(導入を決めた)側と現場スタッフとのバトルです。 もっとも、そういうのはレアなケースですけど、遭遇したときは、なんだかなぁって気持ちになります。 

その一方で、ものすごくスムーズに事が進んでいく場合もあります。 スムーズな場合は、担当がすごく建設的で且つ積極的なのです。 

導入時の状況の違い。 その違いは、なんだと思われますか?

これは、経験上の話なのですが、上手くいかないパターンは、概ね、事前に該当部署へのアナウンスがなく、ほぼ強制的に実行してしまうというパターンです。 

これは、納入先で実際に体験したことです。

実際に遭遇した話し。

ブリスター包装機ではなく、省力化機械を作ってる関係の別の案件でのことなのですが… 

それは機械設置工事の当日のことでした。

指定された場所に機械を設置し調整を終え、担当者に説明するという段でのことです。 担当者を呼んでもらったのですが、ビックリすることが起こったんです。 担当者がきて、開口一番、

えっ?
こんな機械が入るなんて聞いてないです。
今日に入ってくるなんてのも初めて知りました。
今言われても困ります!

などということを少し怒った口調で言われ、『今日はできないので!』と、すっとその場を去って行かれたのでした。

商社経由での仕事だったのですが、機械設置への日取りやその段取りに関しては、事前にその商社と納入先の〝役職付き〟の方とで打ち合わせを終えており、こちらとしても、当然、内部調整されているつもりでいたのですごくびっくりしました。

…というか、その状況に飽きれてしまいました。

ここまで話しが通ってないのは初めての体験で、また、気になったのはその時のスタッフの態度です。 仮に話しが初めてだとしても、ぷぃっと去っていくというのが、なんだかなぁと… 

「役職付の」担当の方は、いわば、現場スタッフからすれば上司にあたる方。 それで話しが通ってないって余程のことです。 過去、現場スタッフの日程の勘違いなどというのはちょくちょくあったのですが、それでもいちおは、スタッフは話を聴いて対応はしてくれていました。 しかし、この時は全然違っていたのでした。

社内調整は、だれの仕事?

その案件については、どうやら、その会社の上層部と商社間だけで話しが進められてきた案だったようです。 上層部と実際の現場スタッフ(機械使用者)との間で何の打ち合わせもされてなかった印象を受けました。 

当日のその状況は、現場担当の渋々・嫌々というのがものすごく見てとれました。 たまたま、その作業の担当であるということだけで、新しい機械の担当になるということまでは伝えられていなかったようなのです。 

それに〝初めて聴いた!〟とのことですので、現場スタッフは〝蚊帳の外〟の状態。 むろん、彼の意見は何も機械設計に反映されていないという… だから、「やらされている感」満載になってしまう感情は頷けなくもないです。

うちからすれば、商社経由ということもあり直接現場の意見を聴ける状況でもなく、〝役職付の〟担当の方の意見がすべて思っていたのでそこが誤算でした。 

こういった状況が発生してしまう背景には、社内での『摺合せ不足』が起因しています。 ご周知の通り、社内での摺合せは当然、社内で行なわれるべきことです。 

摺合せの〝3フェーズ〟

摺合せには『3つのフェーズ』があります。 … 要は、3段階あるということです。

まず、社内的に〝改善テーマが〟発生した時…これが第1フェーズです。 次に、改善テーマに対する〝改善策を見いだす〟状況…これが第2フェーズ。 出来上がった改善策を社内へ浸透させていくというのが第3フェーズです。

第1フェーズ。

例えば、工場内での工程や作業について、作業効率や生産効率が悪いためその改善を行うとか、あるいは、事故や怪我が起きてしまったとか、あるいは、新規に工程を立ち上げる… などという場合、その改善や解決に向けた取り組みをスタートさせるというフェーズです。 その起案は、恐らく、その工程や作業を直接担当している現場スタッフである場合が多いと推察します。 

ここでのポイントは、担当者とその上長、あるいは会社トップを巻き込んで、何かしらの〝プロジェクトチーム〟を発足させるということです。 要は、『ひとり』でしないというのがポイントです。

第2フェーズ。

改善や解決に向けて、どのような策を講じていくのか? チーム、あるいは会社としての方向性を考えていくというフェーズです。 具体的な策が決まると、それを実行するために何が必要か? を決めます。

社内だけで行うのか? もしくは、社外と協力して行うのか? いずれにしても、担当をアサイン(役決め)し、何をいつまでに実行するのか? など、具体的な方法を決めていきます。 むろん、予算が必要になる場合には、社内的な調整を行い、予算を取得します。 

社外と協力する場合、社内で打ちたてた策をベースに協力してもらう会社との打ち合わせを行います。 例えば、機械が必要な場合には、それに対する仕様を決め、その仕様をベースに話し合うというのがこのフェーズになります。

このフェーズでのポイントは、『しっかり話し合う』ということです。 チーム内のみにこだわらず、関係しそうな部署、あるいはスタッフの意見も聴くということが重要です。 また、社外との協力が必要な場合、事前に社内的な調整を済ませておくというのも大切なことです。 

加えて、社外へオーダーを行った際には、そのオーダーが出来上がるまでの間に、社内で、プロジェクトに関する意義やその後の運用などについて、じっくり話し合うということが大事になります。 

重要なのは、そのプロジェクトに対する〝意思統一〟です。 後から、

聞いてない!

などということが起きないようにすることが大事です。

第3フェーズ。

出来上がった策を実際に社内へリリースを行い、運用を開始していくというフェーズになります。 リリースするタイミング(時期・日程)を事前に調整し、スケジュールに合わせて調整を行いながら、リリースへ臨みます。

リリース後は、第2フェーズで決めた運用方案をベースに『実際の流れ』に合わせながら、今後の運用についての具体的な調整を行っていきます。

大事なこと。

フェーズを通して大事なことは、スタッフでの 〝ムリやりやらされてる感〟 を失くすということです。 

この状態が発生してしまうと、ある種の嫌悪感を増幅させてしまうことに繋がっていきます。 一旦芽生えた不信感や嫌悪感はなかなかぬぐうことができません。 最終的に、結局、彼(ら)の中で、それを推してきた連中に不信感を募らせます。 強いては、その矛先が会社に対して向けられるのです。 

「ムリやりやらされている感」というのは、ボクが知る限り、結構あるように思います。 なんでか? というと、納入時のスタッフの顔つきとか態度でそれがわかるからです。 

ある時には、

ボク、担当じゃないんで!

とあからさまに言われたこともあります。(前述以外の話し。) 彼の上長がそばにいるにもかかわらず、平気で… 

機械の製作段階から納品が終わって、操作のレクチャーを行うまでの間、ずっと、『やる気なし』で接してこられました。 こうなると、会社としてもマイナスです。 せっかく導入した『策』も、全部台無しになってしまうからです。 

なぜ、こういった状況が生まれてしまうのか? その一つが、担当にアサインしたはずのスタッフに、きちんとした内容や意義が伝わってないということが挙げられます。 

では、どうすれば防げるでしょうか?

話しをすること。

それは、事前に十分な話しをしておくこと! です。

少ない人員の中、もしくは、多くの仕事を抱えている中での担当への任命は、当てられたスタッフからすれば〝逃げたくなる〟のもわからなくもないです。 でも、だからこそ、コミュニケーションがとても大切になります。

伝えずに黙ってやってしまうと、 現場のスタッフからすれば『やらされてる感』満載になってしまうのは否めないのです。

〝やらされてる〟感があるから、自主性なんてことは期待できません。 〝やらされてる〟から、それを活用し、発展させようなんて微塵も思わなくなるのです。 でも、それを推進してきた側は、〝せっかく入れたのに、使いもしないで!〟などと現場の所為にしてしまいます。 まさに、悪循環ですよね。

事前に話をする上でのポイントは、伝え方です。 伝え方を誤れば賛同を得るどころか、かえって拒否されるリスクの方が大きくなってしまうのです。 

現状維持バイアス。

また、だれを担当にあてるか? というのも大いに関係してきます。 

『誰でもいい』というスタンスで決めてしまうと、やはり問題が起きます。 少なくとも担当には〝それに興味のある人〟を当てるべきです。 この点については、当然と言えば当然なのですが、『適任者』の選任には、そのプロジェクトの命運が委ねられているといっても過言ではないくらい重要です。 

『現状の作業の担当でもあるし、この人なら…』と、こちらが適任だと思っていても、実際には〝新しいことには否定的だった〟という場合もあるので注意が必要なのです。 例えば、改善を要する作業を考えた場合、その担当スタッフからすれば、

この作業は、微妙な感覚がポイントなんだよ!
別の仕組みではたぶん、無理だ!

という類のことです。 もしくは、その作業で、

私はいつも、こんなにも忙しく仕事してるんだぜ!

というのもあります。 

結局、新しい仕組みを導入することで作業が楽になるのは〝頭では理解できる〟のだけど、それが導入されてしまうと自身の立ち位置が狂ってしまう… そこへの〝恐れ〟から、否定的になっているという場合があるということです。 

この点について、別の言い方をすると…

セカセカと忙しそうに動き回っているという行為が、仕事に対する実際のアウトプットがそれほどないのにもかかわらず〝私はたくさん仕事をしている〟という錯覚と優越感を与えてしまっている… 

ということを挙げます。 それが故、その仕事を〝奪ってほしくない〟という状況が起きて、否定的になってしまう場合があるのです。 これについては、仕事への評価という面で至極注意すべき点だとも言えます。 本来の仕事とは? ということを十分に見極め、改善策や解決につなげたいことでもあります。 

さらにもう一つ、人間には慣れたことを手放したくないっていう〝本能〟の部分での〝現状維持のバイアス(恒常性)〟が働くという点です。 これは、ほとんどの人がもっている『今の状態を崩したくない』という現状維持を好むという性質によることです。

〝ともに!〟 という姿勢。

だからこそ、コミュニケーションがとても大切になります。 この時のポイントは…

説得じゃなく、『納得』してもらうこと。

どういう仕組みを導入するのか? 導入したらどう変わるのか? 事前にいろいろと話し合って、メリットを納得してもらうことがとても大切になってきます。 その時、当初から該当の部署を始め、関係しそうな担当者を巻き込むことが理想です。

なぜか?

当初から話に加わってもらうことで、『当事者意識』が芽生えるからです。 つまり、

ともに解決しよう!

という体制が重要なのです。 〝蚊帳の外〟で勝手に話が進められるよりも、プロジェクトの仲間として一緒に進めていけば『やらされてる感』も小さくなるわけです。 それに、スタッフ間では〝自分たちの意見〟が反映されることにもなります。 

ひとつの方法として、あなたがメインの担当者だとする場合、プロジェクトに関係しそうなスタッフと仲良くなっておくというのも有効です。 例えば、

今度、こういうのをやろうと思ってるんだけど
どう思う?

などと事前に情報を伝え、いろいろと話に乗ってもらうというのもありますよね。 周辺から理解を得ていくというのもひとつの手段です。 意見をきいて、要望などをまとめて、それを反映することができれば信用や信頼も得やすくなります。 

また、そんな風に信頼関係を築いておけば、もしもの時に協力者になってくれるはずです。 要は、根回しが大切というわけです。 

なるべく、担当の方を…

では、うちが案件の依頼を受けたときにどうしてるか? 

といえば、可能な限り現場を見せて頂き、なるべく作業担当者の意見を聴かせてもらうようにしていて、打ち合わせを行う際には、担当スタッフを交えて打ち合わせをさせて頂くようお願いしています。 また、商社経由などでそれが叶わない場合には、可能な限り担当部署と十分に対話をされることをお願いしてます。

なぜそこまでするか? というと、コミュニケーションが十分に取れていなかったがために、絶対必要である機能が加味されなかったり、また、逆に、全く必要でない機能を付加してしまったりという事が起きてしまったという経験があるからです。 

また、十分に打ち合わせを行って対応した場合でも、打ち合わせをつめていた当の担当者がリリース直前で辞められていたという体験もあります。 

意識したいのは、

〝誰がそれを使うのか?〟 

ということなのだと思います。 

Win-Winになること。

注意したいのが、会社としてみれば、それを使うのは 『自分の会社のスタッフ』 だということです。 差配の権限がトップにあるのだとは思いますが、だからこそ、この点は〝真っ先に〟きちんと念頭におくべきです。 

また、これは少し余談になりますが… 仕組みができ上がった頃に、それを使わない〝部外者〟な人間が、機能面や使い勝手な事柄について言及してくる場合があります。 その点も同義だと思えます。 

折角、改善策を見つけ出し、快方に向けスタートがきれたとしても、社内的であれ、社外的であれ、対応の仕方を間違ってしまうと会社の利益に影響が生じるということです。 

むろん最適解は、それに関わる人全員が〝Win-Win〟になることです。

うちの仕事でみれば、

ありがとう! 
とても便利になって楽になったわ!

と、現場スタッフさんに喜んで使ってもらってナンボのもんです。 なので、全て円滑にコトが運んでいき、関連しているすべてがハッピーになれればいいなと思うわけです。


修正・加筆 2024/07/01


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けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)