「作業するのに機械がいらないんで、設備投資がいらないんですよ。」という〝甘い言葉〟には気を付けた方がいいです。
こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。
ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!
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さて。。
設備投資がいらないのは、是か? 非か?
溶着タイプのブリスターに対して、スライドブリスターという形式のブリスター包装があります。 スライドブリスターのセールスポイントは、溶着タイプのブリスターのように際だった機械設備がいらないということ。 包装作業用の機器として必要なのは、厚紙台紙とブリスターを留める大型のステープラー(ホッチキス)くらいでしょうか。
なので、容器メーカーへブリスター包装の相談をもちかけた場合、そのことを前面にスライドブリスターを推し進めるところもある… ということを聞いたことがあります。
どんな種類のブリスターを用いるかは、包装する商品の数量や規模にもよるのだけど、中にはお客さんの状況を聴いたとしても、スライドタイプを一押しにして、溶着タイプとの比較を語らないようなのです。 (むろん、親身に相談にのってくれるところがほとんどだと思いますが。)
「設備がいるから止めた方がいい」という恐らくお客さん寄りの理由を話されるようなのですけど、うがった見方をすれば、たぶんなのだけど、メーカーからすれば溶着タイプよりスライドタイプの方が高単価がとれるので、おのずとそっちを薦めるということになってしまうのだとも思えます。(勘繰りすぎかもですけど。苦笑)
ユーザーからすると、〝設備がいらない〟と言われたら、一見すると魅力的に感じますよね。
でも、ホントにそうでしょうか? 設備がいらないというのは、メリットに成り得るのでしょうか?
将来への展望と、先見性。
当然、ブリスター包装をしようとしている商品の形状やサイズ、数量などにもよるのですが、機械設備の不要だけを鵜呑みにしてブリスターの形状を決めてしまうのは、いささか、尚早というか、ちょっと残念だと思うのです。
なんでか? というと、機械設備がいらないということは、おのずと人手による作業になるということだからです。
対応する数が少なく、片手間にできるような包装規模であるなら、スライドブリスターはベストな選択だと言えます。 しかし、そこそこの数があって、その作業に人手も時間も割かなければならないというのであれば、よく考えた方がいいです。
今はスタッフの採用も難しく、また、賃金はもちろん、労働時間による制約も大きくなってきています。 そんな中で、人手による作業をベースに考えていくのは、どうなのかな? … と思えるのです。
投資に対するタメライは理解できます。
とはいうものの…
いざ、設備を置くとなれば、それなりの金額にも成り得るので、そこにためらいがでるのも理解できます。 また、資金繰りの問題や仕事への目途など、色んなファクターを考慮する必要があるので即断即決で決めれるのは、ほんと、稀なのだとも思えます。
しかし、設備の規模にもよりますが、溶着タイプを採用したことで
というお客さんの声を頂いたことがあります。 それこそ、設備の購入を〝出費〟と捉えるか、〝投資〟と捉えるかで、かなり変わってきますから、そこは決断なのだと思います。
もちろん、設備を導入する以上はそれなりの計画が必要です。 もしも、本当にブリスター包装を採用されるのであれば、その容器メーカーに対して、溶着タイプとスライドタイプでの単価の見積もりをとってみてください。 そこだけでもかなり金額の差があるはずです。
お客様の声を元にした経験で言えば、概ね、日産3000個がガイドラインになるようです。 それを越えるのであれば、設備の導入を考えらえた方がベターです。
包装資材は、包装作業をする側からみれば、なかば〝消耗品〟です。 かといって、そのクオリティを下げてまでコストを考えるのは、ナンセンスです。 ほどよいバランスがどこにあるのか? を見極める必要があります。
包装コストを考える上での着眼点。
ブリスター包装に限ったわけではないのですが、包装作業を考える上での着眼点は、〝作業をトータルで捉える〟ということです。
「設備がいらない」ということは、包装作業にかかる〝一つのポイント〟でしかありません。 多くの場合、〝設備!〟ということだけに捉われて、判断しがちです。 でも、それをしてしまうとバランスの欠いた包装ラインになってしまうのです。
包装作業をトータルで捉えるということがどういうことかというと、
包装資材の選定は元より、入荷した包装資材の品質を確認するところからスタートして、資材受け容れ後、ストックして~ その包装資材をラインにセットして、包装する対象物を包装ラインにのせて~ 包装作業をおこなって~ 包装後、商品として検品し、小箱・外箱への箱詰め等を行い、パレット等にのせ、工場からアウトさせる。
という係る一連の全部の工程・作業の内容を捉えるということです。
全体を俯瞰し、どういった作業が必要なのか? また、その作業にどれくらいの人手が必要で、どれくらいの時間を要するのか? といったことを把握するのです。 その上で、設備を導入するということが、是なのか? 非なのか? ということを十分に吟味するということが重要です。
トータルでみて、それでも人手の方がコストや作業効率が優位になるのであれば、スライドブリスターを採択すればよし、逆の結果なら、溶着タイプを選ぶがよし。
要は、全部を俯瞰するということがポイントです。
また、少し余談になるのですが商品への海外展望を考えられているのであれば、スライドブリスターは不向きです。 なんでか? というと、スライドブリスターはその構造上、中身が抜き取られやすいという性質があって、小売り側からすれば〝脅威〟なのです。
こと、日本と違って海外では治安の問題があります。
中身が抜き取られやすいという点に関して言うと、購入するお客に対してというより、スタッフに対する警戒があるということを聞いたことがあります。 商品への安全性は商品そのものは元より、パッケージに対しても等しくあり、それを採用しているメーカーの責任を問われる結果になる可能性もあるとのことです。
まずは、お気軽にご相談ください!