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「ご成約前」の図面提出についてのお願い。

 図面は有償です。

たいへん申し訳ございませんが、たとえ構想図であったとしても、図面類の提出は有償対応とさせて頂いております。 ただし、係る費用は、ご成約時に清算させて頂きます。 

ですので、〝実質無料〟です。 ではなぜ、有償としているか? ちょっと聴いてもらいたい話しがあります。

アイデアも知財です。

ことの発端は、ご成約前にこちらのアイデア・構想を転用されたことに起因します。 

そもそも、私たちの仕事とは、アイデアを皮切りに構想をまとめ、それを実際の形にしていくことです。 

とっかかりの最初のアイデアがご依頼の案件に対するコア(核になること)であり、その案件の方向性を決める上で重要なキーになるものだと考えています。

しかし、素敵なアイデアがでたとしても、それがまったく実現不可能なら意味がないですよね。 

実際に実現できるという確証がなければ、ただの〝空想〟で終わってしまいます。 なので、時には簡易的な模型を作って、その浮かんだアイデアの妥当性を検証し、十分な裏付けの下で構想をまとめるのです。 そんな労力があることを知ってか知らずか… 時には、

簡単な画(え)でいいので構想を頂けますか?

と、ものすごく気安く言ってくる方がいるのも事実です。 

というよりも、ほとんどの方が当たり前のように図面を要求されます。 既製品なら、〝既に存在している〟ので、簡単にだせるのかもしれませんね。 でも、オリジナルで創るとなれば話しは変わってきます。

前述のように、そのアイデアは パッっ と魔法のようにでてくるわけではありません。 もちろん、ヒラメキには、一種のセンスのような一面もありますが、概ね、現在まで積み重ねてきた経験や知識、それに、知恵から生み出されるものだと思っています。 

あなたが思われているほど〝簡単〟には描けないのです。

相見積もりの手段ではない!

概ね、〝相見積もり〟への常套手段として、図面を要求される場合が多いのです。

結局のところ、アイデアとそれに基づく画(構想図)と、それに関する製作費用(見積もり)さえ入手できれば、それ元に他へ伺いをたてることができます… よね?

それを渡された会社からすれば、〝アイデア・構想と想定金額〟が難なく手に入るわけですから、当然、アイデアはむろん、構想を考える手間もなく、 「こんな構成なら、これくらいでできるよ!」 なんて、そんな感じで安めの見積もりを弾くことができます。 そこには、〝ファーストアイデア〟へのリスペクトの欠片すらありません

〝考えること〟も仕事です。

ある時、あるクライエントの担当に 『図面の提出には、費用が発生します。』 とお伝えした時、

お前のところは、図面に金をとるのか!!

と半ば、罵声に近く、呆れた物言いな言葉で返されたことがありました。 「金とるんやったら要らんわ! お前とことの取引もなしや。」という感じ。 

正直、その時は、とても残念で情けなくて、すごく哀しい想いをしました。 

この人は【考える】ということを評価しないのか?

と思いました。 

今まで、ボクらの技術を評価してくれて、良好な関係を築けていると思っていたのに、なんだか、裏切られた気がしたんです。 それにそもそも、この方はうちの技術を評価して選んでくれてたのではなかったのか? と。 

あと、その彼については、うちのアイデアで他に作らせていた… というのも後日わかったという経緯もあって、その会社に対する見え方も変わったという経験があります。

こういった「図面に対する捉え方」 って、ものづくり屋に対しては、半ば〝あるある〟なことなんですよね… 残念ながら。 (涙)

考えることも、列記とした仕事です。 且つ、図面に至っては、〝技術〟を伴う仕事なんです。 それに対して、評価なり対価を払わないということは、どうなのでしょう?  

アイデアも資産。

例えば、複雑な加工をするために機械設備を導入し、そこへ投資するということを〝設備投資〟といいますよね。 

設備投資して得たものはその会社の資産となり、それで事業=商売をされている。 そういった会社さんへ、部品加工を依頼する側は、その〝資産〟で作られたものに対して敬意を払い、対価を払うという流れになっているはずです。

そんな視点で言えば、アイデアや構想ができるというのも、学んできた知識や過去からの経験や技術があってのことであり、逆の言い方をすれば、ぼくらもそれだけ【投資】してきたというわけです。

機械づくりをしていく上で【考えること】こそが仕事です。

そこにリスペクトするという視点をご理解いただけると幸いです。 というより、それが理解できる方と一緒に仕事がしたいのです。 

以後、よろしくお願いいたします。