先代(現:大社長)が〝ブリスター包装機〟と関わりをもってから、半世紀近くになります。 独立して以降は、〝標準〟というモデルを持たず、「ワンオフ」という形で〝お客様の生産環境に最適な〟ブリスター包装機械を設計、製作しています。
なぜ、ワンオフなのか?
よく言われることがあるんです…

お宅も「標準機」な形でやってれば、
同じもんばっかり作って楽やろうに。
確かに! そうなんですけどね。苦笑
標準機という形式でラインナップを組んでしまえば、形が同じになるので、パーツも共通化できて製作も楽になります。 それに、販売するのも楽になると思います。
_ 確かにそうなんですけどねぇ。
正直、うちは商売ベタなのかもしれません。 というか、商売で考えると、〝ド〟が付くくらい下手くそです。苦笑
でも、標準機という形式をとらないというのには、理由がありまして…
それは、お客さんの生産現場がそれぞれ異なっていると思うからなんです。 十人十色という言葉がありますが、生産現場も同じくなんです。 仮に、標準機で大丈夫な会社さんがあったとしても、次のお客さんが標準機で満足できるかどうかわからない。
それぞれの会社さんには、それぞれの悩みがあります。
似通った悩みかもしれませんが、扱われている製品も違いますし、生産環境も違います。 むろん、スタッフも同一ではありませんよね? だから、全く同じではないんです。
標準機っていうのは、作り手側… メーカー側都合のやり方だと思うんです。
もっとも、車のような場合では、それでも構わないと思います。 セダン、SUV、スポーツタイプなど、数種類のラインナップを提示しておけば、それにヒットするお客さんもでてくるはずです。
でも、生産現場で考えると、どうでしょうか?
お客様の個々に異なる環境に対して、こちらの都合で〝標準機〟を勧めるというのは、どうなんだろう? って思うんですよね。 生産活動をしていく上では、よりその環境に即した機械や設備が使えるというのが、一番だと思うんです。


だから、「ワンオフ」。
ワンオフだからこそ、お客様の生産環境にマッチした最適な機械を提供できるのだと思ってます。 … とはいえ、完全にゼロベースかと言われるとそうでもなくて、ある程度の〝参照モデル(ひな形)〟はあります。
シール性能は任せてください!
ワンオフでの対応は理解して頂けたと思うのですが、とはいうものの、溶着タイプのブリスターでの〝キモ〟は、なんといっても【シール性能】ですよね。 きちんと溶着できないと意味がない。
世間一般的なブリスター包装機は、台紙の裏面から熱を加えて溶着を行います。 でも、この方法では、台紙の〝厚み〟を通してホットメルトを溶かすことになるため、時間がかかってしまうんです。 また、台紙中に含まれる水分がブリスタートレー内部に篭ってしまうという現象も起きます。 加えて、水分の影響で台紙が反ってしまうということも。
多数個で処理する場合には、ブリスタートレーの糊代(溶着するミミの部分)の厚みや台紙の厚みのバラつきを抑制するために過剰ともいえる圧力が必要になってきます。 圧着と言われる所以も、そんなところから始まっているようです。
うちの場合の『売り』は、〝下熱方式〟です。
うちの場合は、ブリスター側から、つまり、貼り付ける側から熱を印可するので、す早く、適格な溶着ができます。 また、ブリスター側から処理を行うことで、台紙の反りもありません。 ホットメルトの塗布具合にもよりますが、1.5秒程度で溶着が可能です。 なので、シール性能には定評があります!
とはいうものの…
でも… シール性に関して言えば、こればっかりは機械だけということでもないんです。
当然、機械側の精度や性能は必要です。 しかし、機械だけがよくても、使用する包材(ブリスタートレーと台紙)がまずければつかないんです。 安全かつ、適格に溶着するために必要なのは、機械的な性能に加えて、
ブリスタートレーの材質と精度
台紙の紙質と印刷とホットメルトの適正具合
も重要です。 端的に言えば、溶着タイプのブリスターでは、熱で溶ける接着剤を介して、ブリスタートレーと台紙をくっつけることになりますので、ホットメルト(接着剤)の処理が一番のキーワードになります。
接着剤を溶かしてくっつけるので、接着剤が適正でないとつかないのは自明なんです。 なので、それを中核にして、機械、台紙、トレーの3つの条件を整えることで、最良なブリスター包装が実現できると言うわけです。
以下、実績モデルはこんな感じです。
実績モデルのパターン。
うちでは5つのタイプ(ひな形)から、お客様の生産環境にマッチした機械をワンオフで設計・製作しています。
ターンテーブル型ブリスター包装機
ターンテーブル(円盤)を用いたタイプのブリスター包装機です。
コンベア型ブリスター包装機
ベルトコンベア、もしくはキャタピラのような搬送形式のブリスター包装機です。
トラック搬送(カルーセル)型ブリスター包装機
楕円軌道の搬送形態を用いたブリスター包装機です。
フレームフィード(コマ送り)型ブリスター包装機
独立したプレート状の搬送用の型を〝コマ送り〟するタイプのブリスター包装機です。
シングル(単発)型ブリスター包装機
単発用のブリスター包装機です。
クラムシェルブリスター用ブリスター包装機
トラック型を応用した、クラムシェルブリスターに対応したブリスター包装機です。
環境対策としての台紙の2重化にも対応できます。 ご相談は随時受け付けております! お気軽に。