従来のシール方式の問題点。
溶着タイプのブリスター包装では、台紙に塗布されたホットメルトと言われる接着剤を熱で溶かし、台紙と容器を接着することでパッケージを実現しています。 この時の方式として、台紙側から熱を印可する方法が一般的に用いられています。
しかし、この方式では台紙に塗布されたホットメルト剤を〝台紙の厚み〟を介して溶かすことになるため、
・溶着に係る時間(シール時間)が余計にかかってしまう
・過度な熱印可による台紙の反り
・台紙中に含まれる水分が水蒸気として容器の中へ入りこみ中身の製品に対して悪影響を与えてしまう…
などといった問題をかかえています。
シール時間が係るということへの対策として、多数個取り(一度にたくさんの個数を処理する)という手段がとられるということもこの方式の特徴です。
が、多数個取りは一見すると効率よく感じますが、多数個をセットする時の手間や、多個数による溶着ムラなどによる歩留りの問題などを鑑みると、非効率な方法であると言わざるを得ないのです。
また、いずれにせよ長時間熱印可を行うことになるため、製品によっては熱の影響を受けてしまう可能性は否めません。
独自なシール方式。
前述の通り、そもそもホットメルト剤は容器をくっ付ける面に塗布されています。 にも関わらず、塗布されている面とは逆の方向から熱を印可するという方法自体が、熱効率の悪さを招いてしまっているのは事実です。
これらの問題を解決すべく、弊社では独自の方式を採用しています。 それは、
ブリスター容器側から熱を印可する方式。
です。
ホットメルトの塗布面にダイレクトにアクセスすることで、より短時間にホットメルトをとかし、より短時間で容器と台紙を接着させることができます。
短時間でシールができることで、台紙が反りにくく、また、水蒸気の問題が回避できるため、容器内の製品への影響が少ないというのもこの方式の特徴です。
ちなみに、台紙側から熱を印可する際の平均的なシール時間は、おおよそ10~15秒程度ですが、容器側からの熱印可の場合、1~1.5秒程度です。(※ ホットメルトや容器の材質、台紙の種類に依存します。)
5つのパターン
ブリスター包装を行っている作業現場にとって、工場内での包装作業は一日だけのものではありません。毎時・毎日のことです。だとするなら、生産効率をあげつつ、なるべく〝ストレス・レス〟な環境で仕事をしたいですよね。
正直なところ、メーカーである我々からすれば、我々が決めた〝標準的な装置〟を使って頂くのが一番手っ取り早く楽であり、ぶっちゃけ、その方が我々としての利益も出やすいのです。 なんでか? といえば、
標準的な装置の場合なら同じ形のものをつくればいいわけですから、部品とか仕様器材とか、もろもろ変える必要もないので製作にかかる手間やコストを抑えることができます。
なのですが …
ところ変われば…
お客様が変れば、当然、商品も変わります。 とすれば、当然、作業現場も変わり、スタッフも変わり、生産規模も変わります。 つまり、お客様によって環境が様々だということです。
だとするなら、こちらが決めた〝標準装置〟をご採用頂くのでは、すごく無理が生じると思うのです。 もっとも、こちらが用意した標準的な装置で事足りるなら、それはそれで素晴らしいことです。
でも、過去の経験上、ちょっと難しい場合が多いのです。
例えば、搬入経路の問題がその一つです。 設置場所への搬入経路が確保しずらい場合、〝標準装置〟のサイズでは対応できないという問題が発生します。
また、生産規模も標準装置よりもっと多くしたいとか、逆に、それほどいらないとか… 無人化を目指したいとか、使い勝手をもう少し整えたいとか、さまざまな要望を叶えるには標準装置では難しいのです。
ですので、もっと原点に立ち返って、
そんな想いから、標準装置という方式をとらず 〝ワンオフ(※)〟 による対応で装置の製作を行っています。 ※ワンオフ ⇒ 一品一葉で製作するカスタムオーダーメードのこと。
お陰様でさまざまな商品分野の方との出逢いがあり、さまざまなご提案をさせて頂き、さまざまな対応をしてきました。 そんな技術の蓄積から得た装置のパターンは、な、なんと! 〝5つ〟 です。 すごくないですか?? 笑
いずれの場合においても、包装工程(作業)に『流れ』を創ることを意識し、包装対象となる商品の投入からブリスター包装の完了まで一連の〝流れ〟を留めないことを基本コンセプトとしています。 流れを留めないことで無駄な〝仕掛り〟がなくなり、一貫した生産が可能になります。
それでは、詳しくご紹介させて頂きますね。