買い物にでると、ブリスターパックな商品を確認します。 市場調査の名目もあるんですけど、仕事柄一番気になるのは、〝台紙の反り〟です。
どうも、こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろー(@sanagiman_flush)です! ツイートフォローお願いします!
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だんだんと寒くなってきましたね。 寒い日にはお湯割りが一番です。笑
さて…
気になる台紙の〝反り〟
溶着タイプのブリスターが用いられている商品で、たまに見かけるのが台紙がものすごく反ったやつです。 反りかえった台紙の商品を見ると、どんな風に感じられますか?
使うのは中身… とは言うものの、台紙が反っていて外観がひどいとあまり印象がよくないですよね? …と感じるのは、ボクだけ? なのかしら… 笑
ところで、なぜ、台紙が反るか? ご存知ですか? それは…
なぜ、台紙が反るのか?
溶着する際の熱の印可(加える)方向に起因しています。
溶着タイプの場合、台紙に塗られている〝ホットメルト〟という熱で溶ける接着剤を熱源を使って溶かして容器と台紙をくっ付けています。 その時、どの面から熱をかけるか? が、台紙の反りに影響してくるのです。
ちなみに、反りとはこんなイメージです。
100円ショップで見かけた溶着タイプのブリスターのパッケージ。 わかりずらいかもですが、左側の製品と比べて、丸で囲ったところがかなり反っています。 ちなみに… 左の2つはうちの機械によるパッケージだったりします。
台紙側からは反りやすい。
ブリスターパックで用いらている熱の印可方向は、容器を接着しない〝台紙裏側〟からが主流です。 容器をくっ付ける側=ホットメルトが塗られている面とは逆の方向から熱が印可されているということです。
台紙側からの熱印可では、台紙の厚みを通してホットメルトを溶かすことになり、必要以上に熱を加えなければならないという問題が起きます。 接着の際には、接着面と熱をかけた面とで伸縮が起きて、それが反りになるというわけです。
また、余談ですが、溶着時には台紙中に含まれる水蒸気が蒸発しようとします。 溶着時に容器の中が水蒸気で曇るというのはこのためです。 台紙の裏面から熱を印可する場合は、その影響を受けやすいです。
あまりに反りがひどいと、商品に対する心象も非常にまずくなります。 つまり、〝安っぽく〟見られてしまうのです。
では、どうすれば、台紙の反りを失くすことができるでしょうか?
反りを失くし、見栄えをよくする。
それには、容器をくっ付ける面、すなわち、ホットメルトが塗布されている面に熱をかけるという方法が有効です。
この面へ熱をかければ、ホットメルトを〝ダイレクト〟に溶かすことになり、必要以上に熱を印可することもなくなります。 また、そうすることで、短時間での溶着が可能になります。 すなわち、台紙の裏表での伸縮が小さくなり、これにより台紙の反りがなくなるのです。
機械的なハードル。
でも… 反面、ホットメルトを塗布した面からの熱印可は、台紙裏側からの方式に比べて、機械的な精度が必要になります。
想像して頂きたいのですが、台紙裏面からの場合では、その表面には何の障害物もありません。 この場合、熱源となるプレート表面は〝フラット(平ら)〟でOKです。 一方で、ホットメルトを塗布した側からの場合ではどうでしょうか?
その面には〝容器〟が存在しています。 なので、熱源となるプレートには、容器を避けるような加工が必要になります。
それに加えて、台紙側からの場合ではフラットな面でのプレートで溶着できるので、溶着時に停止位置がずれたとしても〝プレート面の中〟に収まっていれば溶着は可能なのですが、ホットメルトを塗布した面からの場合では、位置ズレが起こると、容器と熱源が干渉し、容器が溶けてしまうという問題が発生します。
それため、機械的な精度が必要になってくるというわけです。
ちなみに… うちでは、昔からホットメルトを塗布した面からの熱印可方式(下熱方式と呼んでいます)を用いたブリスター包装機を手掛けています。
下熱方式は、水蒸気問題なし。
下熱方式では、台紙の反りはありませんし、お陰様で消費者への印象も抜群にいいです。 溶着時間についてお伝えしておくと、台紙裏側の場合には、恐らく、早くても5秒程度は必要だと思います。 下熱方式の場合、ホットメルトの材質などにも左右されるのですが、概ね1~1.5秒程度での運用になります。
また、最大の特徴は、水蒸気の問題が出にくいということです。 前述でもお伝えした通り、台紙裏側からの熱印可では、台紙中の水蒸気が容器に篭ってしまう問題が起きやすいです。 それに比べて、下熱方式では水蒸気の問題は起きにくいので、金属製の商品でも安心してお使いいだけます。
修正・加筆 2024/06/26
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