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ブリスター包装での、〝抜き仕様〟へのテーゼ。

溶着タイプのブリスター包装。 実は、その『やり方』には2つのパターンがある… って、ご存知でしたか?

こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。
ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!

さて…。

溶着タイプのブリスター包装の〝やり方〟。

『やり方』って言うと、少々オーバー気味かもしれないのですけど… 笑

ここで言いたいのは、ヒートシールにかかる熱源の種類の方ではなくて、もっと全体的なことです。 ちなみに、熱源の話しが出たついでなのでお伝えしますが、熱源で言えばざっくり2つあります。 

1つがカートリッジヒーターなどの〝ヒーター〟を熱源として用いる方法、と、インパルス方式と言われる方法で、抵抗体に瞬間的に大電流を流して、それを熱源としてヒートシールに用いるという方法です。

インパルス方式って、簡単に言えば、ニクロム線に電流を流したときにニクロム線が赤くなって熱が発生して~ っていうあの感じです。 ちなみに、インパルス方式の場合では完全密封が難しいです。 というか、無理。

というのも、抵抗体を完全な〝環(リング)〟にしてしまうとショートしてしまうので、『切れ目』が必要になるんです。 ということは、つまり、完全密封できないというわけです。 袋などで使われる〝インパルス〟シーラーも同様の原理なのだけど、袋でのシール(封かん)は直線状なのでショートの問題はありません。

で、ちょっと話しが反れましたが、戻しますね。w

セパレートタイプ。

一般的な方法が『セパレート』タイプな方法です。 

どういう方法か? って言うと、要は、〝セパレート〟な包装材料を使うという方法です。 真空成形の容器(ブリスター)も、台紙も、店頭に並べられる商品形状に予め〝抜かれて〟いる単体形状のものを使って、それを貼りあわせるという方法です。 たぶん、これがオーソドックスな方法なのだと思います。

抜き仕様。

もう一つが、ブリスター包装作業工程の中で、『形状に抜く』という方法で、歯ブラシなどの包装で広く用いられています。  要は、ブリスター容器も台紙も『1枚もの』の状態で貼りあわせて、それを商品に即した形状に抜くという方法になります。

店頭などで歯ブラシなどの包装をみれば、ブリスター容器と台紙のサイズが〝同一寸法〟であるのがわかると思うのですけど、それは『抜き』によるためです。

ちなみに、セパレートな場合では、溶着時の容器側のズレを緩和するために台紙の方が大きくなります。 

ちなみに… 抜きのカテゴリで言えば、いわゆる、トリミングという手法で、カバー(蓋)部分だけを抜くというのもあります。 トリミングの場合、一般的にカバー(蓋)材にはフィルム材が使われて、容器をカバー材でシールした後にカバー材を製品形状に抜きとるという流れになります。 この方法は、ゼリーとかプリンなどといった容器へ液体充填するようなパターンで広く用いられています。

両者のメリット・デメリット。

ブリスター包装として、どちらの方法を用いるか? の選択は、自由です。w

でも、ご多分に漏れず、双方にはメリット・デメリットがありますので、その点をしっかり、見定め、見極めて選択してくださいね。

セパレートタイプの場合のメリット・デメリット。

決定的なメリットは、『抜型』が不要なので、それに伴う作業の一切が不要になるということです。 この点、セパレートタイプしかやったことがないという場合には、あんまりピンとこないのかもしれませんが…

形状に〝抜く〟ためには、それなりの設備が必要になるわけです。 

単純には、抜くための装置や抜型が必要になります。 それに加えて、当然のことながら、抜くための作業工程も必要になります。 さらに加えると、抜いた後には抜きカスが発生しますので、その回収作業と処分費用への対応が必要になります。

この点の裏返しで言えば、セパレートタイプの場合では、抜き装置や抜型、作業の一切が要らないので、ブリスター包装としてのライン構成がシンプルになるということもメリットになります。

また、台紙サイズを大きくすることで、売り場内での訴求効果を高めることができるということもメリットのひとつです。 

デメリットは、包装材料の単価の問題があります。 ブリスター容器や台紙について、『抜く』という工程が資材メーカー側での作業になるため、その分の諸経費が資材代にチャージされます。 つまり、高くなるということです。

もう一点、これはデザイン性への考え方によることなのですけど、容器と台紙サイズをほぼ同じにしたい場合、溶着時のズレが目立ってしまう場合(可能性)があって、パッケージとしての美観を損なう… というのもあります。 

台紙に関して言えば、ある程度〝コシ〟のある材質が必要になり、極端に薄い台紙や樹脂フィルム等は使えないというのもデメリットの一つです。

抜き仕様 のメリット、デメリット。

メリットは、資材コストが安くなる… ということです。 これは、セパレートタイプで挙げたことへの真逆の作用です。 要は、資材メーカー側での『抜き工程』が不要になるので、その分のコストが下がるということからの単価減につながるというわけです。

また、台紙(紙材)に替わって、樹脂フィルムなどの樹脂材を使うことができることもメリットです。 ちなみに、溶着タイプのブリスター包装では、ブリスター容器(プラスチック)と台紙(紙材)が分離できず、環境への負荷が大きいということがネックだといわれていますが、もしかすると、この点が最大のメリットなのかもしれません。

抜型の形状にて、ユニークな外形にできる… ということもメリットとして挙げます。 

デメリットは、抜き工程がいるので、その分の設備一切とその作業がいる… 点です。 こと、『抜き』に関しては、抜き型が非常に重要になってきて、適切な管理を怠ると〝抜けない〟という致命的な問題が発生します。 加えて、抜き用の装置に関しても同様、適切な管理を行ってしまうと、事故など、予期せぬトラブルの原因に繋がってしまいます。

効率的な〝抜き〟への対応。

基本的に、うちの場合では〝セパレートタイプ〟への対応が主なのですけど… 『抜き』への対応もできます! もっとも、抜き仕様からセパレートへ変更できるのであれば、そっちを推しているんですけどね。 w

なんでか? というと、『抜き仕様』には包装作業を考えたときのリスクが大きくて、且つ、もろもろの経費が発生してしまうからです。

諸経費の面で言えば、前述したように抜きカスへの対応があります。 

細かい話しかもしれませんが、カスを回収して、産廃業者へ引き渡すという作業には、経費が掛かります。 厳密に言えば、これは生産性には寄与しない〝余計な〟経費と言えるので、抜き仕様はお奨めしないんです。 最近の傾向では、産廃への経費も上がりつつありますんで、ちょっと厄介ですよね。

リスク面で言えば、『抜くこと』そのものにあります。 これも前述した通り、抜型が適切に管理されていないと、『抜き』ができなくなって、作業の中断を余儀なくされます。 要は、製品ができないという状況に陥ってしまうんです。

且つ、抜く前の段階を考えると、それは【仕掛り品】になります。 仕掛品とは、辿ってきた工程で付加価値は加えられているものの〝売れる状態〟ではないので、注意が必要なのです。 まぁ、仕掛品の扱い方や考え方には、各社各様の捉え方があると思いますが… ボクの持論は、仕掛品を増やすのはあんまりよくないと思ってます。 

とは言うものの…。

ブリスター包装に関して言えば、以前は比較的リーズナブルで且つ、訴求効果も高いことを理由に採用するところも多かったようです。 が、前述した通り、最近の環境問題などのブームの中では、〝ブリスター包装〟を取り巻く環境は、決して明るいものではないと思っています。 

企業コンプライアンスが重要視される中にあって、ただ単純に、〝コストがかかるから対応しない〟というのは、企業としてどうなのだろう? って思うんです。 

結局、企業の在り方そのものが問われる時代になってきています。 とはいうものの… 掛かるコストを極力、抑えることができるのであれば、それに越したことはないですよね?

抜き仕様へのテーゼ。

歯ブラシの業界を見てきたので、それに即した仕組(機械)になるのですけど、抜き仕様なパターンで最良のパフォーマンスが期待できる装置を提案できます!  むろん、歯ブラシ以外にも活用はできます。

都合上、あんまり詳しくお伝えすることができないのが残念なのですが… 簡単に説明しますね。

抜き仕様での従来では、容器と台紙を溶着した後に、別工程(装置)で抜きを行うというのが一般的なのですけど、この点を解消した仕組(機械)になります。 且つ、油圧仕様ではないのでオイル漏れの心配もなく、衛生的です。 また、作業の流れを根本的に見直して、作業にかかる人員も少なく済むように考えた機体になります。

ご興味があれば、ぜひ。


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けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)