導入した機械、どれくらいまで使えるんだろう? って、気になりませんか?
こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。
ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!
さて…。
機械の寿命って…?
どんなものにも〝寿命〟は存在していて、生み出された瞬間から『終わり』に向かって動き出すのは一種の真理というか、この世の摂理なのかなって思います。 で、機械の寿命でいうとどうなのか? って言えば、どうなんでしょう?
「寿命=使えなくなる」ということで言えば、2つの見方があると思います。

その1。 ぶっ壊れた!!
まず、一番わかりやすいのが、機械がぶっ壊れた! という場合がそうですよね。
で、ぶっ壊れ方には、何かのハプニング(アクシデント)があって物理的に壊れてしまった状態と、使用している器材が経年による〝寿命〟で使えなくなってしまったという状態との2通りがあると思います。
アクシデント起因。
アクシデントによるものって、例えば、何か使い方を誤って、ガッシャン ってやってしまったりとか、外的に何かがぶつかったとか、仕様規格外のものを流して機械にダメージが生じて、致命傷になったたとか… 通常の運用を考えた場合、こういったことが起こる確率は、ものすごく「レア」だと思われるので、これが起こるというのは一種の最悪のケースな部類なのかもしれません。

包装機ではないのですけど、工作機械の類でのアクシデントは聞いたことがあります。
_なんでも、プレス機での作業で設定操作を誤って、機械本体にダメージがいってしまって御釈迦になったとか、また、汎用の工作機械での加工時に自動送りをミスって、機械本体に致命的な衝撃が加わり御釈迦になった… とかといったことです。
聞いた範囲で言えば、『大幅な操作ミス』が起因しているみたいです。
経年起因。
で、もうひとつが、使用器材の経年による寿命で、要は、年数による劣化等で使えなくなるという状況がそれです。

搭載している個々の器材にもやはり寿命が存在していて、そこに到達すると全体として機械が使えなくなってしまいます。 一種の機能不全ってやつですよね。
最近の機械で考えると、寿命を決めているのは概ね、制御部品の部分である場合が多いです。 メカ部分のパーツにダメージがある場合には、その箇所をリメイクすれば、なんとか延命は可能です。
でも、制御部分となると、ちょっと難しくなります。 特に、PLC(コントローラ)が逝ってしまうと、修復は難しくなります。 スペアがあったり、代替がきく場合には延命ができるかもしれません。 でも、経年でアウトになると、代替がききにくい状況になってしまうので、かなり厄介なんです。
PLCの場合で考えると、使用している機種そのものがなくなってしまっているパターンが多いです。 仮に、運よく同一機種を手に入れたとしても、制御ソフトのバックアップがないと修復は不可能です。
あと、PLCの場合では、PLCへの周辺環境の問題もあります。 パソコンのない嘗ての時代には、プロコンという専用の器材を使って、PLCへ制作した制御ソフトをダウンロードしていました。 逆に言えば、バックアップを持っていてもプロコンがないとPLCへダウンロードできない… という状況に陥るわけです。
もっとも、そこまでの古さはないとしても、ちょっと前まではバックアップ用のメディアにFD(フロッピーディスク)を使っていて、FDを読みだす器材がない場合にはアウト! なのです。
パソコンでシーケンスソフトを制作している場合でも、使用しているパソコンの機種の問題や接続ケーブルの問題とか、OSの問題も生じてきます。 その当時の環境をずっと使い続けれるのであれば、もしもの時の修復はスムースなのかもしれませんが、電子デバイスの進化… とか、もろもろの環境の変化を考えると、それはそれで難しいですよね。
また、今最新のもので対応してリリースしたとしても、将来にはその環境の規格がガラッと変わって、使えなくなってしまう… というのは否めないのです。
ごく身近な例で言えば、例えば、ビデオテープなどがそうですよね。 テープをもっていても、ビデオデッキがないので再生できないとか。 MDなども同じくです。 そういったことも似たようなことなのだと思います。
永久的に変わらない仕組みで制御する… となれば、汎用のリレーだけで制御するという手もありますが、安全性の面や機械制御時の利便性や操作性を考えると、今の世の中ではどうかなと思います。 こと、機械動作が複雑になればなるほど、制御部分も複雑になってくるので、現実的ではないですよね。
モーターの類も同じことが言えます。 汎用モーターを使っている分には、代替はききやすいかもしれません。 でも、制御上の都合から、最近ではサーボモータなどが主流になっているので、その場合ではドライバーが逝ってしまうと概ねアウトです。
後継の代替機種が手に入ったとしても、物理的な取り付け方の問題や、制御データの設定などの問題があって、スムースに移行できるかどうかは疑問です。
その2。仕様・規格が変った。
包装機の場合でいうと、商品で採用している包装形態や規格を変えたことによって、機械が使えなくなるというのがあります。 まぁ、機械自体に問題はないので、機械側の物理的な寿命とはちょっとニュアンスが異なるのかもしれませんが、使えなくなるという面では、これも寿命と言えると思います。

包装形態を変えた。
包装様式の採用って、その時の情勢とかブーム的な要素が大きく関係してくるので、これって、包装の業界ではよくあることです。
新商品を開発し、その包装を考えたとき、例えば、『多くのメーカーで採用されているから、うちもこの様式を採りいれよう!』などというパターンがあって、それに即して設備を導入したものの、そのブームが終焉を迎え、次は別の包装形態へ変える… といった場合に機械が使えなくなるという状況が発生します。
恐らく、機械が使えなくなるパターンの多くは、こういった仕様や規格が変るというケースによるのが多いのかなと思います。 また、包装を考えた場合、それはマーケティング(販売方法)と密接な関係があるのは否めないので、中身の商品が変らなかったとしても、その販売が伸びない場合には、包装(パッケージ)を変えてアプローチするというのもあるため、そういった場合に機械的には寿命を迎えてしまうというわけです。
ブリスター包装で言えば、ブリスター包装をやめて、例えば、全面的に箱詰めに変えるなどという場合、ブリスター包装機自体が不要になってしまうわけです。 つまり、〝寿命=お役御免〟をむかえるということです。
最近は、脱プラ・減プラのあおりで、この傾向が強いのかな…なんて。 (涙)
商品が終わった。
あとは、ラインナップとしての商品が終わりを迎えた… という場合にも同じく、機械としては寿命(=お役御免)を迎えるという状況が発生します。 商品サイクルが激しい場合などの場合には、あるあるな状況なのかもしれません。
食品などの場合を考えてみたら、商品のサイクルも早くて、且つ、包装デザインなども頻繁に変る場合があったりして、機械としてのライフサイクルも短いような気がします。
_知る限りでは…
大手メーカーなどの場合、新製品を出す場合には、まず、『受託』の形式で生産を開始するようですよね。 その包装ができる機械をもっている受託先を見つけて依頼するか、もしくは、受託先側で機械を段取りするなどして対応するか… なので、大手側にはあまりリスクがないという。(^_^;)
機械を使い続けるということ。
考えてみると、機械そのものの完全な寿命を迎えるまで使い続けるって、すごいことなんだと思います。 こと、包装機械で考えれば、裏を返せば、ず~っと、その包装形態を採用し続けているということでしょうから、ほんと、すごいことなのだと思います。
それに加えて、長く使い続けているということは、それなりのメンテナンス体制をしいているということも言えて、適切に整備している環境があるのだということも伺えます。
掃除もせずに、使いっぱなしの状態なら、やっぱり、機械の寿命も早いです。

余談: 復活させるときに、注意したいこと。
先に挙げた、取り扱う商品の包装の規格や仕様を変えた場合、既存機が寿命(=お役御免)をむかえるという話で、その場合にはたぶん、機械を廃棄してしまうケースの他に、倉庫などへ保管しておくという場合もあるのだと思います。
で… もしかすると、将来的にその機械をまた復活させるという場合もあるのかなと。
機械自体が逝かれていない限り、再起動は可能です。 … なのですけど_。
この場合には、ちょっと注意が必要です。
長期にわたって使用していない場合、制御に使用しているPLCなどの機種によっては、バックアップ電源の消耗で内部データが破壊されている場合があるからです。 設定しているパラメータが喪失し、まともに起動しないという状況が発生します。 また、原点位置なども消失している可能性は否めず、復帰させるのが難しい… という場合もあります。
概ね、「通電」させている場合には、その電力でメモリーが保持されているのですけど、完全に切れていると厄介なんです。
とはいうものの、倉庫内で常時通電させての保管は無理でしょうから、パラメータの控えをとっておくとか、バックアップの確認を厳重にするとかといった対策が必要になります。
あと、バッテリーレスな機種を使っていたとしても、メモリーの書き込み先がそれに対応していない場合もあったりして…(という経験があります。 電機屋さんの勘違いというか、ミスで、バッテリーレスな機種だったにも関わらず、喪失があったことがありました。)
長~く。
包装機械って、『生産財』です… ということは、恐らく周知のことですよね。 生産財とは、つまり、財産。
使い続けることで、会社に財がうまれていくんです。 ということを考えれば、トラブルなく、安全に使い続けられることが一番ですよね。 そのために、何をすればいいか? って、それは…
やっぱり、メンテナンスです!

日常点検をきちんとして、日々の清掃を欠かさず行って、異常を感じたら直ちに処置を行う… ということを行っていけば、寿命もかなり延びます。 加えて、怪我や事故といったこともなくなっていきます。
点検等が難しい… と言う場合には、少なくとも、日々の清掃くらいは最低限度やってほしいと思います。 こと、ブリスター包装機でいえば、台紙を扱うため、機械が〝紙粉〟ですごく汚れるんです。
紙粉が堆積していくと、真空発生器等のフィルターの目詰まりの原因にもなって、また、機器の摺動部分にも悪さを起こしてしまう可能性も否めないです。 それに、そもそも、扱っている製品に対しての影響もあります。
ブリスター容器はプラスチックです。 作業環境によっては、静電気が発生しやすくなります。 紙粉が多く、舞ってるような環境って、どうでしょうか? いわずもがな… ですよね。
なので、日々の掃除くらいはしてくださいね~ っていうのが機械製作者側からのお願いです。
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