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もう悩まない! ブリスターシール機のボトルネックを克服し、生産効率を最適化する方法

長年、ブリスター包装機械と関わってきて、思っていることがあります。


こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。
ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!

さて…

ブリスター包装『機械』を考える上で、重要なこと。

思っていること… それは、ブリスター包装〝機械〟を考える上で、重要だなと思える〝要素〟的なことです。

もっとも、溶着タイプのブリスター包装では、溶着… つまり、シール性能に関わるところが最重要であることは言うまでもありません。 でも、それらっていうは、溶着タイプでのブリスター包装を実現する上でのベースラインな部分のことであって、当然のことがらですよね。

ボクが言いたいのは、その部分ではなくって作業全体を捉えた時の決め手となる部分のことです。

作業全体の〝流れ〟を決める。

シール部分を除いて、最も重要だと思うことは機械上の『搬送方法』です。 なんでかといえば、搬送方法が『ブリスター包装作業の全体を決める』といっても過言ではないと思うからです。  

搬送とは、『物の流れ』そのものです。 要は、搬送の考え方、やり方で、ブリスタートレーや台紙、中に入れる製品を含めた流れと、出来上がった包装後の製品の流れが決まってきて、それはつまり、作業の流れが決まるということにつながるんです。

作業の流れが決まるということは、人の動き方も決まるということ。 結局、言い換えると作業性そのものが決まってくるとも言えるんですよね…。

ボトルネック。

ところで、『ボトルネック』という言葉、あるいは現象についてのことをご存じですか? 

ボトルネックとは、〝滞り〟のことを指しています。 例えば、寸胴形状な容器で液体を注ぐ場合には、スムーズに流れると思うんですけど、ワインボトルなどくびれた箇所をもつような場合では、くびれた箇所の所為で、一旦、注ぎの量やスピードが落ちますよね? 

実は、生産現場でも同様なことが起きているんです。

本来なら、物(資材)が投入されてそれが完成品になるまでは、滞りなく、スムーズに流れていく… はずなんです。 でも、その流れの中に何らかの『障壁』となる要因が発生した場合、流れが滞る事態が発生します。 

これを〝ボトルネック(工程)〟と呼んでいます。

ボトルネックとは…

ボトルネックとは停滞とか滞留のことであって、生産を考える上では好ましい状態ではないんです。 

なんでか? っていうと、まず、リードタイム(※)が長くなるという点。 (※ 資材投入から製品としての完成品ができるまでに要する時間) もうひとつが、仕掛りが発生してしまうという点です。 

仕掛りの考え方は、経理的な捉え方とはまた違う側面があるんですけど、生産工程を考える上での仕掛り品の発生は、あんまり好ましい状態とは言えないんです。 

例えば… ちょっとイメージしてみてください。

資材が投入された間なしのとっかかり加工と完成間近の加工とを比較した場合、付加価値的にどちらが大きいと思いますか?

完成品間近の方が〝付加価値〟が大きいということが言えますよね? 

とっかかり品は、素材に近い状態であって、何も『手を加えられていない』状態です。 ところが、加工が進むにつれ、手が加えられていきます。 手を加えるということが、付加価値を付けていくということだからです。

ところが、どれだけ手を加えても未完成な場合ってどうでしょうか? 未完成だから製品ではありませんよね? それに、未完成なので売れる状態ではありません。 

で、その状態で、『もしも…』 な事態が起こったらどうでしょうか? _ パァーになってしまうというわけです。 

つまり、どれだけたくさんの資材を投入し、加工を勧めたとしてもボトルネックで仕掛品が大量に発生しているのであれば、危険だということです。 

生産を考える上で大切なことは、極力完成品にしてしまって、直ぐに出荷させるということがとても大事なのです。

ブリスターの包装現場で。

もしも、ボトルネックという言葉を聞いて、『??』と心当たりとか、ピンとくるものがあるなら、今一度、作業の流れを見てみてください。 恐らく…

多数個取りの作業スタイルをしているところでは、大きなボトルネックが発生しているはずです。 

ブリスターの包装現場を知る限り、ボトルネックを改善した作業ってあんまりないんですよね。 むしろ、ブリスター包装機械を使った作業自体がボトルネックを誘発しているという感じです。

多数個の大きなブリスタートレー、大きな台紙を使っている歯ブラシなどの場合では、顕著なボトルネックが発生しています。 多数個取りのトレーに物を入れていく作業から、既にボトルネックが発生してしまっているんです。

次に、物を入れたトレーに大きな台紙を溶着する… ここでもボトルネック。 カットする工程でもボトルネック。 検品検査でも…

結局、作業の流れが分断されるような構成で考えられているので、ボトルネックが〝常態化〟しているということです。 もっと言えば、ボトルネックの概念すらないのでリードタイムが必要以上にかかっていることすら把握されていない… ということです。 これは、歯ブラシに限らず、例えば、10個くらいの多数個で処理されている場合などでも同様です。 

ひとつひとつの工程が〝流れ〟で繋がっているわけではなく、区切りとか溜まりがあるようなスタイルでされているケースなので、ボトルネックが繋がっていると言う感じ。

ボトルネックの性質。

まず、ボトルネックがどういった箇所で発生するのか? 

っていうことを理解しておく必要があると思います。 端的に言えば、ボトルネックは〝弱い個所〟で発生します。 弱い個所とは、即ち『抵抗になるような箇所』であって、言い換えれば、流れを阻害している箇所です。

例えば… わかりやすい例で言えば、人の能力がそれです。

A⇒B⇒C⇒Dという工程を考えた時、それぞれの工程に作業スタッフをアサイン(担当者の配置)したとします。 C工程の担当者はものすごく器用で、一番迅速に作業を進める人だったとしたとき、A、B、C、Dの流れはどうなるでしょうか?

Aさん、Bさん、Dさんの作業能力が同じだったとする場合、A⇒B⇒C⇒Dの流れの中ではDさんがボトルネックになります。 つまり、A~Cまでの流れはスムーズさを確保できますが、Cさんの作業が早いため、Dさんの手前で滞留が起きてしまうというわけです。 Dさんの手前で滞留が起きるということは、仕掛りが溜まって、完成品が遅くなるということですから、リードタイムが長くなってしまう可能性は否めないです。  

この場合を考えると、Cさんに遅めに作業をしてもらうこと(Cさんの能力を落とす。)で解決できます。 ただ、Cさんの作業を遅くしてもらうには、Cさんにストレスを感じさせる結果となるため、あまり推奨はできません。 

とするなら、CさんとDさんを入れ替えることで解決するのがベストです。 Cさんにとっては、Dさんから流れてくるタイミングよりも、ずっと早いタイミングで自分の仕事が終わるので〝待ち〟が生まれるかもしれませんが、仕掛りの滞留もなく、完成品をあげることができるので、ラインとしては最良ですよね。

結局のところ、処理の流れ(スピード)というのは、一番遅いところに習う(合わさる)ということになるため、遅いところを改善しない限り、遅いままということなんです。

ボトルネックは、搬送形態で解消。

ブリスター包装作業を考えるには〝流れ〟の捉え方が重要になります。 ブリスター包装〝機械〟の流れ、それが『搬送』ということです。 ただし… 単純に搬送=運ぶことだけに捉われていると、そこではまた、「ボトルネック」が発生してしまうんですよね。 いい方式の搬送を採用したとしても、ボトルネックの根本を理解していないと残念すぎる結果になるというわけです。

前述の通り、ボトルネックって『弱い個所』に表れてくる性質があるので、そこを考える必要があるということです。

適正な搬送形態、適正な搬送量。

ブリスター包装機械を考える場合、機械上での流れを考える必要があります。 即ち、『何に一番時間がかかるか?』という点を把握することです。

多数個の場合、恐らく溶着にかかる時間が一番長いと思われます。 数が多くなればなるほど、印可時間が長くなる傾向があるからです。 余談的に言うと、扱う数が多いということは、それだけ「ムラ」が発生しやすいということであり、時間をかけて、そのムラを解消する必要があるというわけです。

ところが… 包装対象を人手で投入する場合、扱う数を増やすと、今度はそれを投入するための時間がかかってしまうという状況が発生します。 仮に、溶着時間内に投入が終わるのであれば、〝流れ〟は確保できます。 しかし、溶着時間よりも投入の方に時間がかかってしまって『ボトルネック』が発生しているケースが非常に多いのです。

〝たくさん仕掛ければ…〟という欲張った考え方が、結局、ボトルネックを生んでしまっているということなんですよね。

また、もうひとつ。 機械を考える上では『機械だけ』を考えるのではなくて、その後も考える必要があります。 即ち、溶着後のことを考える必要があるということです。

溶着時間内に投入を終えて、機械上はスムーズな流れを確保できた… としても、その『大量に仕上がった製品』をどのように捌くか? ということも重要です。

よくあるのが、包装ができました~ 一旦、ストックして、検品、小箱詰めは後でします~… と流れです。 これっていうのも、ボトルネックなんですよね。 検査工程がボトルネックになってしまっているということです。 

包装を無事に終えたとしても、検品や小箱詰めが終わっていなければ、仕掛りと同じです。 また、この場合では包装後の最終形態ということであり、たくさんの付加価値がついてます。 けど、出荷できる状態ではないという…

もったいないですよね。 

溜めておく という発想自体が、ボトルネックを誘発しているということ。 なので、検品、小箱詰めまで、もっと言うと、小箱を外箱の段ボールへ入れて、パレタイズするまでを一連として考える必要があるということなんです。

〝流れ〟で考えてみる。

では、どうするのか? ボクがやっていることを少し紹介しますね。 

まず、現状の作業の流れを俯瞰して考えてみます。 

物の投入から始まって、機械上でシールして、シール後、検品、小箱詰めして、段ボールへ… という流れをイメージしたとき、どのような搬送形態を用いれば、〝その現場にとって〟スムーズな流れを生むか? ということを考えていくんです。

その中には、将来的な要素も加味していきます。 〝将来的な要素〟とは、将来、人手の作業をロボットなどに置き換えたいとか、自動供給を加味したいとか、そういう類のことです。 また、資材の入荷から、製品として出荷するまでの動線も含めて考えていきます。  

あとは、生産規模も重要な要素になってきます。 小ロットの場合と大規模生産の場合とでは、考え方も変わってくるんです。 むろん、そこには、『作業者の流れ』も加わってきます。

もろもろを組みあわせて考えて、その現場に【マッチした】搬送形態で機械を考える… というわけです。

うちの場合は、5種類から。

適用するサイズにもよるのですけど、うちの場合は5種類の搬送パターンから、お客様の作業環境にとって最適な流れを考えています。 

自慢するつもりはないのですけど(って、自慢になるんですけどね。w)、これだけ多くのパターンをもっているところは、国内ではまずないと思って頂いて構わないです。 まぁ、過去は2種類程度だったんですけど、お陰様で増えました。 

搬送形態っていうのは、直接、〝型のコスト〟にもつながってきます。 また、それは当然、処理能力や作業スタイルにも関わってくるので、一辺倒で決めるよりも格段に最適な環境が実現しやすいということでもあります。

ちょっと、紹介しますね。

ターンテーブル型。

ターンテーブルを用いたうちの主流な考え方な搬送方式です。 多品種小ロットに向けた方式です。 平面搬送であるため、型に無駄がありません。

トラック搬送型。

トラック搬送。 即ち、楕円軌道を用いた搬送方式です。 中規模、大規模に向けた方式です。 ターンテーブルと同じく、平面搬送であるため、型に無駄がありません。 また、搬送に直線部分がとれるため、器材や人のレイアウトに柔軟性があります。

コンベア搬送型。

コンベアのような無限軌道のスタイルの搬送方式です。 大量生産に向いています。 コンベアタイプでは、リターンする側の型が実際の作業に使用できないので、型の費用を考える上では、少々割高な感じがあります。

コンベア

単発。

単発的なスタイルです。 小ロットに向いています。 人の動線が作業の動線になるようなイメージです。

フレームフィード型。

コマ送りの搬送形態です。 大きな製品を扱う場合には、機械サイズは大きくなりがちなのですが、それを抑えるために製作した搬送形態です。 コマ送りのように型を搬送させることで、機体サイズをコンパクトにすることができます。

生産が思ったよりも…

人手不足の中にあって人材の確保が非常に難しくなってきたと言われています。 これは、ブリスター包装の現場に限らず、どんな業種、業態であっても均しく言われている事がらです。 

また、最近の人件費の上昇基調であることへの話題もプラスして「作業スタッフ」への事がらがキーワードになっているのは否めないです。 加えて、ブリスター包装の現場では、『長年、作業してくれている人が高齢で…』 という話題もちらほら聞いたりします。 

ブリスター包装がでてきて、75年くらい?

余談ですが… ブリスター包装という包装形態がでてきたのが1950年くらいのことなんだとか。 日本で考えると、恐らく、高度経済成長期に、ドカッと使われるようになったのだと思われます。 

_うちの大社長(親父)は、今83歳なのですけど、彼の話しをきいてると、ちょうどブリスター包装機を開発したのが、それくらいの時期らしいです。 

で、考えてみれば、古い会社さんであれば、1970年代くらい、もしくは80年代くらいからブリスター包装を始められていると推測すれば、高齢で~ っていうのも頷けますよね。 実際、お客さんのところで、そういうベテランの方をみかけたこともあります。

生産を支えていた主力のベテランさんが高齢でこれなくなって、けど、新しい人材はなかなか確保できない… とか。

あとは、ボクら世代(50代なんですけどね。w)では、親の介護の問題がでてきたりして継続的に働くのが難しいとかという問題も増えつつあるようです。

会社からすれば、〝生産の都合がいいように〟働いてくれるのが一番なんだと思いますし、昔はそういう人材の確保が容易だったのだと思います。 

でも、今は、違います… よね?

むしろ逆で、スタッフが会社に合わせるというよりも、会社が個々のスタッフの働き方をケアしなければならないという時代になってきています。

「介護があるからxx時間しか働けません」となれば、それを受けいれて、その状況でもベストな生産体制にしていくのが会社としての責務になってきているのだと思います。

だからこそ、そういった働き方に対応できるような〝仕組み〟の構築がいるのだと思います。 … 加えて、人手不足に対する外国人就労に向けた考え方もあります。 とすれば、作業をもっとシンプルにして、「誰でもできる」体制作りが急務なのかなって思うんですけど。 どうですか?

ともあれ。

日々の生産活動の中で、『もうちょっと何とかならんのかな?』とか、『人員をかけている割に、生産性がなぁ…』とか、『スタッフが高齢で、もしもがやばい…』とか…

という状況にピンっ! とくるのであれば、お気軽に相談してくださいね。 


時短設計®な視点で、規模に応じて、設計してます。
あなたの作業現場が、少しでもハッピーに快適になることサポートをしています。

ご相談は随時受け付けております! お気軽に。


お陰様で、Youtube登録者数100人突破! ありがとうございます。
次の目標は!! めざせ、1000人!(← 目標 低ーー!w) 
ってことで、Youtubeもやってるので、できればチャンネル登録お願いします!

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Written By

けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)