何気に使っているというか、何気なく目にしてる「包装」。 ご周知だと思いますが、包装にもいろんな種類があります。
こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。
ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!
さて…
改めて、包装の種類を整理。
ご存じの通り包装の種類は多岐にわたります。 当たり前のように使われているので、恐らく、気にされる方はあまりいないのかもしれませんが… 包装機械よりな話しになりますが… 機械の名称とともに代表的なものを紹介しますね。
ピロー包装
包装の形が「ピロー(枕)」に似ていることから、この名前があります。 機械の様式で、縦(型)ピローと、横(型)ピローに大きく分類されています。
横ピローは機械の専用の搬送部分に商品を置いて、その過程で袋状にしたフィルムへ封入していくという形です。 ちなみに、背貼り(貼りあわせの部分)の位置で、正ピロー、逆ピローに別れます。 身近なところでは、袋入りのパンなどの包装がそれです。
縦ピローは、バラものの場合に用いられてます。
片側が閉じて袋状になったフィルムに、その上部からバラバラっと、商品を入れていき、封かんするような方式です。 物を入れた際の封入と、次の商品投下への底部分の形成を同時に行って…という流れです。 ポテトチップスなど、バラバラとした菓子類などで、一般的です。
ピロー包装は、食品用途で幅広く用いられています。 なので、ピロー包装を行うピロー包装機もたくさん使われています。 包装機械の展示会などにいくと、ピロー包装を扱ってるメーカーがかなりあります。
カートン
箱入りのお菓子などをイメージされるとわかりやすいと思います。 カートンとは、箱のことです。 素材には、段ボール素材、厚紙のようなクラフト系の素材などがあります。 薬などもカートンの場合が多いですよね。
ちなみに、カートンを用いる包装機械を、「カートナー」と呼んでいます。 カートナーも、ピロー包装機の場合と同じく、処理の仕方によって、縦型カートナーや横型カートナーに大別されます。
カートナーのメカニズムが好きで、展示会などに行くとついつい、見入ってしまいます。w
ちなみに、製品の小箱が入れる段ボールを封かんするような機械を、「ケーサー」と呼んでいて、段ボールシート状のものから、箱に起こしてという一連で作業ができる機械を「セットアップケーサー」と呼んでます。
シュリンク包装
箱や容器などの表面に「フィルム」がかけられている場合があると思いますが、「シュリンク包装」と呼ばれているあれも包装の一種です。 熱で収縮するフィルムを使って箱や容器を包んで、熱風をあててフィルムを収縮させて包装としています。
収縮フィルムで言えば、もっとも身近な例がペットボトルに使われているフィルムの部分です。 ボトルにフィルムをかぶせて、熱で収縮させ、ボトルにフィットさせています。
上包み包装
お土産用の饅頭とかお菓子類で、箱表面に紙でラッピングされているのがありますよね? あれを上包み包装と言って、その包装を行う機械を、「オーバーラッパー(上包機)」と呼んでいます。
デパートなんかでサービス窓口でスタッフさんに頼んで、贈答用に包装紙に包んでもらうのがあると思いますが、同じような作業を機械でやるというイメージです。 こんなものまで機械化するのか? って思いますよ。
セローラップ
今はあんまり身近ではないのかもしれませんが、例えば、タバコの表面でのフィルムのラップや、キャラメル箱の表面のフィルムのラップを、「セローラップ」と呼んでいます。 昔は、セロファンを使ってたから、そんな感じで呼ばれてました。 もはや… な包装でしょうか。 (*ノω<*) アチャー
ちなみに、今はタバコって毛嫌いされる方向にありますが… タバコって、包装機械とかの包装技術の発展に貢献してる一面もあったりします。
容器包装(ボトリング)
もっとも、身近で代表的な包装がこれです。 ボトル容器を用いたもの全般を指してます。 「ボトルも包装になるの?」って思われるかもですが、ボトルも列記とした包装なんです。 ペットボトルをはじめとして、液体洗剤とか、ボトルを使った包装はすごくたくさんありますよね。
パウチ
小袋包装の類です。 レトルト食品でよく用いられていたことから、レトルトパウチとも呼ばれてます。 スタンディングパウチ(自立する形式)や、先端にノズルがついたものなど、多岐にわたってありますよね。
また、フィルム材に関してもラミネート技術が発達したお陰で、複合材などが広く使用され、匂いや油分、薬品性などに強い包装になっていたりします。
ミルクカートン
牛乳箱の形式の包装です。 いわゆる、牛乳パックです。
ちなみに… 牛乳には視覚障がいの方にわかりやすくするサインとして、「生乳」を示す切欠きが施されてます。
余談。 三方、四方、テトラ
「袋状」の包装を指す場合、そのシール(溶着箇所)のやり方によって、ちょっとした区分があります。
まず、三方シール。
辺の3辺がシールされる形式をさします。 例えば、フィルムを折り曲げた場合、折り曲げた部分が「袋」状になっているので、この部分はシール処理不要。 残りの3辺をシールして密封するという形です。
四方シールは、4辺すべてがシールされる形式です。
例えば、2枚のフィルムを重ねあわせた場合で、これを袋状にするために四辺をシールして袋を形成するという方法です。
テトラは、三角錐のような形式のシールになってます。縦ピローに近いのですが、シールする際に、機械上でフィルムのシール部分を「ツイスト」して、三角錐状にします。 一般的な縦ピローよりも袋が立体的になります。 おつまみのピーナツなどで使われてます。
ブリスター包装
そうそう!
ブリスター包装も、包装の1種です! ドーム状の透明容器を用いた「中身がみえる」包装形態のことです。 詳しくは、このサイトを読んでくださいね~。w
余談。 PTP包装
PTP包装もブリスター包装です。 PTP包装とは、薬の錠剤などで広く用いられている包装のことです。 ブリスター包装といえば、こちらをイメージされる場合が多いです。
余談。 薬などは、複数の包装を使っている。
商品に対する包装をみたとき、1種類の包装で成り立っている場合と、複数用いるような構成で成り立っている場合とがあります。
1種類で構成される典型は、例えば、ポテトチップなどを見た時には、ピロー包装として1種類で成り立ってますよね。 ポテトチップスからはかなり外れますが… 豆腐も包装からすれば1種類です。 ちなみに、豆腐は、「豆腐パッカー」という包装機で包装されてます。 原理的には、ブリスター包装と同じで、いわゆるトレーシーラーになります。
袋入りの個包装されているお菓子などを考えると、包装の種類からすれば、1種類なのですが、大小の2パターンで構成されているということになります。 大小のピロー包装という感じでしょうか。 また、カートンと個包装されたピローの組合せもありますよね。 チョコレートなどがそんな感じです。
で、薬などの場合でみれば、3種類の包装が使われている構成になっています。 こんな感じ。
錠剤を包装しているPTP包装の部分と、PTP包装されたものを封入したピロー包装の部分。 ピロー包装をカートンに入れて「商品」としている… と言う感じです。
カップ包装・トレー包装
食品系に多いのがカップを使った包装と、トレーを用いた包装です。 カップ包装をイメージしやすいのは、「カップラーメン」の包装です。 典型的ですよね。
いずれもフィルム等の包材を使って、封かんしているという形式で、機械については「カップシーラー」や「トレーシーラー」の名称で呼ばれています。 ブリスター包装機も大きな目線でみれば、トレーシーラーの1種にあたります。
包装も進化してる。
上記に挙げたのはホンの一例であって、まだまだ色んな種類の包装があります。
それに加えて色んな種類の包包装材料が開発されていますので、それに伴って、色んな種類の包装が生み出されています。
こと、包装材料の進化による影響は、すごいですよね。 例えば、ポテトチップス。
昔は、包装材料として一般的なフィルム材が使われていました。 端的な理由は、それしかなかったから。 でも、その包装では、中身の「ポテトチップス」が酸化しやすいとか、光の影響で劣化しやすいとかという問題が発生ありました。 で、その後「アルミ蒸着」したフィルム包材が生まれたことで、鮮度が保たれる包装ができるようになったという経緯があります。
包装の進化は、トライ&エラーのたまものっていう説もありますよね。
また、包装の「安心・安全」を考えたときには、その有名なエピソードが、『グリコ・森永事件』です。
それ以前までは「性善説」があって、まさか、〝悪さしたものを「再封入」して店頭に並べる〟なんてことは予想していなかったわけです。 毒入りのお菓子がばら撒かれたことで、包装に対する〝安全性〟をもっと高めようという動きが加速したというわけです。
包装機械も進化してる。
当然… 包装形態や包装材料が変ることで、包装機械もそれに伴って進化してます。
が、機械の面でおおざっぱに言えば、糊やホットメルトなどの接着剤や超音波や高周波などを使って接着・溶着するか、もしくはカートンのように組み立てを行うか… という基本的な面は昔から大きくは変わらないようです。
ただ、機械の全体的な構成については、昔よりも電機制御に振った機構が広く採用されるようになってきています。 その背景には、昔よりも電機系統な器材の性能が上がって扱いやすくなったのと、「多品種」に対応した機械が求められているというのもあります。
カムなどを利用したメカ的な機械では、多品種には対応しにくい面があるので、サーボなどを使った電機制御を用いた方式が好まれるようになったということです。
加えて、包装機械も世界的なデジタル化に伴う波の中にいるということがあります。 デジタル化することで機械の故障率や、生産数の把握などの「状況」を瞬時に把握し、生産計画等へ活かしやすくできるというメリットがあるため、電機制御に振られるのもこういった背景があります。
包装にもブームがある。
たぶん、多くの方が何の気に無しに使われているのだと思いますが… 服とか、音楽とか、車とか… いろんなものに流行があるように、むろん、包装にも流行があるんですよ。
時代時代によってというか、誰か仕掛ける人がいるだろうけど、包装にもブームがあって…。
最近の身近では、エコに関する商品がそうです。 例えば、シャンプー・リンスや洗剤などで使われているパウチ。 多くなってきてますよね? あと、シュリンク台紙と呼んでる台紙にフィルムが貼り付いている形態の包装もそう。
エコというワードがブームになって、包装もそれに乗っかって、ブーム。
一昔前に、カップに入れたお菓子が流行った時があったんですけど、あの時も「カップ包装」が一種のブームでした。
ブームに乗っかるのもいい… とは思うんですけど、それに伴って、設備やらなんやらの見直しが発生するわけで。 それが単なるブームの場合、投資も「ブーム」で終わってしまうから注意が必要だと思うんです。
そうそう、これはどこの業界でもそうだと思うんですけど、ブームによって、当然、それに関わる機械などもブームの波がやってきます。 ブームで主流になったと思ったら、ブームが去れば、一瞬で脇に追いやられてしまったり。
昔から使われている機械には、それなりの蓄積された技術があります。 そこが全部、損なわれてしまう。 栄枯盛衰は、ある意味においては仕方がないこと… なのだとは思いますが、技術が沈んでしまうのは、ちょっと悲しいなって。
というわけで、あなたの生産ラインがもっと快適になればいいですよね。 時短設計®な視点で、あなたの作業現場が、少しでもハッピーに快適になることサポートをしてい
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