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なぜ、溶着(シール)不良が起きるのか? もう「2つ」の理由。

ブリスター包装で溶着不良が起こる原因について、以前のログでお伝えしたのですが… 実は、もう2つほどあるので
今日はそれをお伝えしますね。


こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!

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さてと…

なぜ、溶着不良が起きるか? 

ブリスター包装において、なぜ、溶着(シール)不良が起きるのか? 以前にもとりあげてきました。


端的に言えば、すごく当たり前のことなのですが、

ちゃんとくっ付いてないから。

です。 以上!! な~んて。笑
けど、問題はその原因ですよね。 なぜ、くっ付かない状態が生まれるのか? そこが悩みのタネなのですよね。

以前のログでお伝えしたのは

1.ホットメルト剤が溶けていない。
2.保持時間が足らない。
3.ホットメルトと部材の相性が悪い。
4.台紙の保管管理がまずい。

ということでしたが、実はそれに加えて、もう2つの理由があったんです。 その理由とは? と、その前に、以前のログで復習してくださいね。 

2つの理由。

その2つの理由とは、これです。

まず、PETの問題 と次いで、印刷工程の問題。 これらの2点です。 この2点については、〝なぜ、ブリスター包装での溶着不良が起きるのか? その2〟でもちらっと、お伝えしたかもしれません。

ではまず、PET側の問題から、少し解説しますね。

PETの問題。

そもそもの、ブリスター包装の名前の由来にもなっている〝透明容器〟。 ブリスター包装のメインは、この〝透明容器〟であると言えます。 最近では、容器の材料としてPETが使われるのが主流なのですが、実は、このPETが、溶着不良を引き起こす原因になる場合があります。 そうそう、ちなみにPETとは、ペットボトルと同じくで、Poly Ethylene Terephthlate のことです。 

端的に言えば、PETにも種類があって、その種類によって溶着不良の引き金に成り得るというわけです。 

ブリスター包装用に用いる容器への材料として適しているPET材は、〝G-PET〟と言われるPETです。 ついで、A-PET。
再生PETはあまり向かないと言われています。 

バージン(真性・純正)に近い方が溶着には向いています。 でも、バージンを使っているにもかかわらず、つかない場合がでてきます。 着かない原因の〝可能性〟として考えられるのが、真空成形時の工程です。

真空成形をする際に、成形する金型から容器を分離させるために〝離型剤〟と言われる溶剤を散布することがあります。 離型剤の役目は、型と成形した容器を〝くっ付きにくくすること〟で、離型剤とは、いわゆるシリコンのことです。

つまり! これが、成形された容器、特に接着面となる部分に付着していると、それが影響して溶着不良につながってしまうというわけです。 

「離形」目的ですもんね… 

イメージは、テフロンコーティングされたフライパンと同じです。 あれは、なかなかくっ付かないでしょ? この時の台紙と容器の関係も、それと似たような感じになっているということです。

ちなみに… 

ブリスター包装での当初では、容器の素材として『塩ビ』が用いられるのが一般的でした。 塩ビは溶着性能もよく、それに加えて、割れに強いという特徴ももっていたため広く使われていました。 

でも… 焼却時にダイオキシンがでるという環境問題への配慮から、ほとんど使われなくなっています。 もっとも、刃物などでのブリスター包装では、容器が割れてしまうことへの懸念から、まだ塩ビが使われているようです。

台紙の制作工程での問題。

次に、台紙の制作工程での問題について。

※ 画像はイメージです。

これに関しては、印刷業界の方から聞いた話なのですが、印刷業界での最近の傾向として〝UV硬化型のインク(UVインク)〟が広く用いられるようになってきたとのこと。 

UVインクとは、紫外線を照射することで固まるという特性をもったインクのことです。 このインクを用いることでインクの乾燥時間を縮めることができ、印刷物の制作にかかるリードタイム(制作時間)の短縮に繋げているというわけです。

ブリスター用の台紙でもこういったインクが用いられるようになってきたとのことです。 しかし… この時問題になるのが、乾燥時間を縮めるということが、台紙へのホットメルトの含侵に影響を与えてる点です。 

以前まででは、印刷インクを塗って、それが乾燥するまでに少しの〝間〟があって、また、その〝間〟がホットメルトが台紙に浸透していく時間でもあったとのこと。

ところが、UVインクの速乾性で、ちょうど台紙表面に〝被膜のバリア〟を作るような格好になってしまって、ホットメルト剤を塗布したとしても台紙の奥まで浸透されにくいという現象をうんでしまっているようです。 これは、台紙素材にホットメルト剤が含侵しにくい上質紙を用いた場合と似た現象ですよね。

充分に含侵されないので、溶着したとしてもインク面から剥がれてしまう、つまり、溶着不良になってしまうという現象が起きるのです。

全体的に言えること。(私見)

これはあくまで私見なのですが… 

穿った見方をすれば、こういった原因の元はと言えば〝コスト優先〟によるものだと思えるのです。 

世の中の傾向として「安く、早く」というのがあります。 消費する側からすれば、ありがたいこと… なのかもしれないのですけど、その陰で、本当に大事なことが疎かになってしまっているのが否めないのです。

安く、早くに応えるために、係るコストを考えていくことも必要だと思います。 でも、問題はそのアプローチの仕方なのかなと思います。 それにより大切なコトを失ってしまっては、元も子もないような気がしています。


修正・加筆 2024/06/20


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けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)