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なぜ、ブリスター包装での溶着不良が起きるか? その1

気が付けば、2月も下旬に差し掛かってますね。うちの次男坊は高校受験の真っ最中。 私立の方は、合格切符を手にしてたのだけど、本命の県立がまだ… 来月上旬に試験なのですけど、なんだか、余裕ぶっこいてて・・・ (汗)


こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!

受託包装を絶賛承り中です!。 お気軽に!


さて…

ブリスター包装での溶着不良

本日の話題は、ブリスターの溶着不良についてをお伝えしたいと思います。 

溶着タイプのブリスターでの一番のキーは、きちんと溶着ができていること!ですよね。 実は、ボクは、たまに市場調査をするのです。 仕事柄、気になって、気になって。笑

どういう調査をするか? というと、溶着されてるブリスターのパッケージを手に取って、

まず、シール(溶着)面をまじまじ確認する。
つぎに、台紙を軽く握って反らしてみる。

なんてことをしてみます。 嫌らしいやつですよね。 苦笑 

まじまじ見てると、溶着されていない場合は見た目ですぐわかります。 大事なポイントは、上記の2番目のところです。 しっかり溶着されていないとすぐに、パクッと開いてしまうのです。 

ほんと、最悪なやつですよね。笑  

いじわるだな! なんて、と思われるかもしれませんが、市場調査をするのには理由があるんです。 なぜか?といえば、納めた機械がきちんと使われているのか? を確認するためと、あとは、他社でのシール性能や見場を確認するという目的もあります。

これは抜群のシール性。(うちの機械での… (*^-^)ニコ )

稀に遭遇する溶着不良品。

ホームセンターやスーパーなどで見てると、たまに、『溶着不良品』に出くわすことがあります。 在ってはならないことなのですけど、流出してしまうんでしょうね。 ブリスター包装の作業現場を知っているだけに、強くは言えないという… 汗

あるモノは、思いっきり溶着されてなかったり。 あるモノは、ちょっとテンションをかけるだけで、パクッとすぐに剥がれたり… といった感じのことがあります。

近くに店員さんがいる場合には、店員さんを呼んで、

これ、パッケージ不良みたいなんで、気を付けた方がいいですよ!

などと声をかけたりもします。

溶着不良があると、万引きなどのリスクが発生してしまうので、陳列時にチラッとでも確認した方がいいんじゃないか? なんてことを思ったりしますが店側もあまり確認されていないような印象を受けます。 もっとも、高額になるような商品では、オーバーラップして対策してるところもあるようですよね。 

でも、この辺りは、メーカーの責任として品質管理の一環で出荷する前に最低限確認しておくべきことでしょうから、店側であまり確認されないのも当然なのかもしれません。

なぜ、不良が起こるのか?

包装作業をされているところからすれば、一番知りたいことは、恐らく、〝なぜ、溶着不良が起きるのか?〟 と言うことなのでしょうね。 では、なぜ溶着不良が起きるのか? なぜなのでしょう?? ご存知ですか???

包装作業担当のある人に依れば、

圧力が足らないからだ!
もっと、押さえろ!

などという言い方をされる方も数多くいらっしゃるようですけど、残念ながらそれは間違いなのです。

そもそもの理由を理解する。

『着かない』という現象が起きた場合、そもそも考えるべきは、

なぜ、ブリスター(容器)と台紙がくっついているか? 

ということです。 ブリスターと台紙がくっつくということの基本は、あくまで「溶着」であって、圧着ではないという点です。 基本的に、台紙表面にホットメルト(熱で溶ける糊)が適切に塗布されていて、それが、適切な温度で、適切に溶け、ブリスター容器の貼り代部分に均等な力で密着されているとするなら、〝難なく着く〟はずです。

平版方式は、高圧がいりがち。

圧力もある程度かける必要がありますが、概ね、圧力が関係してくるのは、〝機械の仕様〟に依ることが大きいです。 俗にいう『平版方式』の機械を使用されている場合は、圧力不足によることも否めません…

なぜかというと… それは、平版方式でのやり方に起因しています。 

平版方式では、木型を使って、そこにたくさんの商品を置いて作業するでしょ? その方法だと、〝過度〟な圧力が必要になるんです。 どういうことか? というと、

包装材料、特に、ブリスター容器には、その厚みに多くのバラつきがあって、そのバラつきを抑えるために、大きな圧力が必要になるというわけなのです。 

容器の形状にも依るのですが、例えば、10並べて、10個とも同じ厚みであることはまずありえず、この時、ヒータープレート(熱源)が最小のものにまで到達しないと、全部が溶着できないという事態に陥ります。 台紙の厚みも同じくです。

溶着時の条件は、均等、均一に圧力をかけて貼りあわせることです。

極端にいうと、並べた時に全て均一に成りえるなら、それほど『圧力』は必要ありません。 しかし、資材の特性上、それはちょっと不可能。 で、扱う数が多ければ多いほど、均一にすることは難しいということになります。

なので、厚みの〝落差(バラつき)〟を埋めるために、大きな圧力を使って押さえつけているということなのです。

もう少し言えば、バラつきがあるという状態は、凹凸があると言い換えることができます。 この時、例えば、高い方の凸側に面を合わせてしまうと凹側が当たらなくなります。 逆に、凹に合わせるとなると、凸側を抑え込むだけの力が必要になる… というわけなのです。

面のバランスは大事。

このことをベースに考えれば、シール不良の原因のひとつとして、溶着する面のバランスがでていないということが考えられます。 溶着対象となる各個体に対して、均等に圧力がかけられていなければ溶着不良は起きます。 

もし、均等な圧力分布が得られていないのなら、そのバランスを整える必要があります。 

バランスを整え、それでも着かない… となった場合には、次のステップです。 

というわけで、次のステップは次回にもう少し詳しくお伝えしますね。


修正・加筆 2024/06/19

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Written By

けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)