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ヒートシールでのノウハウ… その1。

聴くところによると、昨日が〝宇宙元旦〟にあたる日だったようですね。 というわけで、〝氣〟を入れてやっていきたいと思います! 


こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです! ツイートフォロー(@sanagiman_flush)お願いします!

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さて…

ヒートシールについて。

今回のテーマは、〝ヒートシールについて〟をお伝えしようと思います。 …今回というか少しシリーズ化しようかなと画策中だったりします。笑

ちなみに、〝ヒートシール〟とは「熱溶着」のことをさしています。 つまり、熱をもちいたシール(封かん)のことです。 で、ヒートシールと言えば、包装に携わられている事業所さんなら、概ね〝ついて回る技術〟ですよね。 

ヒートシールは、例えば、ピロー包装などでの袋詰め時の封かん用途だったり、セローがけ(※)時の仕舞いだったり… (※ セローラッパー: タバコやキャラメルの小箱などを透明のフィルムで覆っている包装。) 

フィルム(樹脂)同士を溶かしてくっつけるパターンやホットメルトという接着剤を溶かしてくっつけるパターンなどで一般的に用いられる技術です。 なので、包装=ヒートシール といっても過言ではないくらいものすごく一般的に使用されている技術です。 

一般的だからなのか、これで悩まれているところも多いと聞きます。

皆さんのところではどうですか? ヒートシールについて、悩まれたことはないでしょうか? うちも、仕事柄、時に悩まされる時があります。 実は、ここだけのハナシなのですが… 

ヒートシールの技術って、これだけ頻繁に使われていながら、あまり体系立てて確立していないのが実情なようです。

ヒートシールの問題って、結局・・

端的に言うと、ヒートシールの問題って本当は、すごくシンプルなんですよね。 

結局のところ、

着くか? 着かないか?

ただそれだけのこと… なのですけど… 「着かない状態」が起こるから、皆、それで苦労している。笑 

ということは、つまり、

なんで、着かへんねん?(大阪弁)

ということが問題っていうこと… ですよね。 あっ、当たり前ですか。 笑

ところで、ブリスター包装でもヒートシールします。 

ブリスター包装の場合は、一般的には、樹脂同士の接着ではなく、ホットメルトという〝熱で溶ける〟接着剤を使用したヒートシール方法になります。 ただ、ブリスター包装と似たカテゴリで、「トレーシール(樹脂容器を使った包装)」というのがあって、それは樹脂容器+フィルム材での樹脂同士の接着が一般的です。

時に、〝着かない〟という問題が発生した場合、実に厄介な問題に発展する場合があります。 経験上、概ね、それは3つどもえの様相になります。 苦笑

〝着かないという状態〟が発生することで、どういう状況が発生するか? 

と言えば、疑いの連鎖が起きるのです。 

実に醜い… 疑いの連鎖。

エンドユーザ、つまり、ブリスター包装を行っている事業所で「着かない(シール不良)」が起きるとたいへんです。 概ね、機械を新規で導入したり、新製品のリリースで、容器が変ったり、また、蓋材となる台紙が変ったりと言った場合にそれは起きます。 その時、『疑いの連鎖』が起きてしまうと、それはそれはもう… 

最初のターゲット。

まっさきに、疑いの標的になるのが【機械】です。 エンドユーザーからすれば、一番、目につく場所でもあるので当然と言えば当然かもしれませんね。 

特にそれが、新規の案件で新設の機械なら、真っ先に標的になります。 また、酷い場合には、「機械の存在そのもの」までもが疑いの対象になりえるのです。(´Д`ι)アセアセ

温度が足りてないの? 圧力は大丈夫? そもそも、機械的な構造はどう?

などと、いろいろと機械に対する〝疑念〟がぶつけられます。

こと、機械に明るくない作業現場や会社さんの場合には、そもそものところがわからないから、場当たり的にズケズケと機械のあることないことを指摘したりして… 

おまけに、不用意、不必要に機械をいじってしまっていて、それを機械側の所為にしたり… とまぁ、よくあることです。苦笑

次の標的は??

機械側を一通り疑った後、次にターゲットになるのが包装資材の中でも台紙などの蓋材のメーカーです。 つまり、台紙です。 ブリスター包装では、台紙表面に〝ホットメルト〟を塗布するという工程が入りますので、

ホットメルトの材質はどう? ホットメルトの塗り方は大丈夫? 台紙の紙質は? 印刷インクって、何使ってるの?

という具合に、ホットメルトそのものや、台紙の材質、それを加工している工程に対して疑いの目が向けられるのです。

最後の矛先。

そして、最後が容器メーカーです。 

真空成形時の真空引きは大丈夫? 成形時ののり代が狭くない? のり代の面精度がでてないよ? 容器の材質はどう? 出荷時の管理はどうしてるの?

と、真空成形時の諸々の条件が問われるのです。

そんな感じの「3つ巴」での責任のなすりあいが始ります。 といっても、こうなるのは〝超〟最悪のパターンですね。 苦笑

しかし、最終的に何が一番キーになるか? と言えば…

最終的には、これに依る。

これは、あくまで機械の立場からの意見なのですけど、ブリスター包装でのヒートシールの最終的な要因は、

ホットメルトによるところが一番大きい!

という結論に辿りつきます。 つまり、台紙の問題。 

台紙の加工屋さんには非常に申し訳ないのですけど、これが、ブリスター包装に関わってきた40余年の経験上の結論です。

ヒートシールのそもそものところ。

なぜ、その結論に達するのか? ヒートシールの根本とは何かを考えると明らかなのです。 即ち、そもそものところと言えば、

(熱で溶ける)接着剤でくっつける!

ということです。 

これが理由になる確証は、試しに何も処理していない台紙と容器をくっ付けてみてください。 どうがんばってもくっ付かないですよね? 

ホットメルトという【接着剤】を使って双方をくっ付けている以上、ブリスター包装で着くか着かないか? の問題が生じたときには〝ホットメルト(接着剤)〟が一番のカギを握っているということなのです。

むろん、機械的にきちんと調整がなされていて、使用する容器にも歪などがないという前提でのことですけどね。

もし、今まで使用してきた機械で且つ、同じ条件なのに、着かないという現象がおきたら、そのほとんどがホットメルトに起因してるといっても過言ではないのです。

もう少し言うと、台紙とホットメルトの親和性、及び、印刷インクとホットメルトとの親和性に依るところが大きいということです。 これは、台紙が「良質すぎて」ホットメルトが十分に浸透できていないとか、インクの所為でホットメルトがはじかれてしまっているといったことに起因しています。

その他、誤解から生じる問題。

その他の面で言えば、誤解から生じているということです。 それは何かと言うと…

ヒートシールは

圧力さえかければ、くっつくと思ってる人がいること。〟 

です。 いや、〝いる〟というより、むしろ、この考えの方が〝多い〟という方が適切ですね。 こと、ブリスター包装ではそれが顕著なのです。 溶着テストなどをしていると、 

もっと圧力をかけないと着かんぞ!

などと言う人がおられます。 でも、それこそが誤解そのものなのです。 また、これを言われる人は、概ねブリスター包装での溶着を「圧着」と言われる傾向があります。

もし、あなたの社内にそういう方が居られたとするなら、その人は誤った理解や認識をされています。 確かに、多少の圧力は必要なのですが〝圧力で着く〟わけではないからです。 根本的に言えば、そもそも〝ヒートシール(熱溶着)〟であって〝圧着〟ではありません。

圧着で着くなら、熱をかける必要もありませんよね? ヒートシールは、その名の通り〝熱でくっつけること〟を意味しているのですから。 くどいようですが、ヒートシールとは、

熱による〝溶着〟

であって、圧力による〝圧着〟ではない のです。 

そこんところの〝大きな〟誤解で、機械構造的にもかなり大きな誤解を生んでしまっている感は否めないのです…。

そして、そうそう! 

先に挙げたホットメルト剤の問題には、ちょっと触れましたけど、印刷インクとホットメルトの相性とか、台紙そのものの質感、種類など… 実は、いろんな要因が絡んでくるんですよ。 

ただ闇雲に〝犯人捜し〟をしてしまうと、不毛な状態・状況が生まれてしまいますので、穏便にかつ、迅速に解決していきたいですよね。 

長年携わってきた経験からお伝えできることなのですけど… 少し長くなるので今回はこの辺にして、続きは次回にしますね。


修正・加筆: 2021/12/27
修正・加筆: 2024/06/18

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けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)