こちらの方では、まだ満開とまではいかないのですけど、桜がきれいに咲いてきました。 そうそう、昨日、新元号が決まりましたね! 〝令和〟だって。 新年度も始まって、心機一転! いい年にしていきましょう!
こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!
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さて…
ヒートシールの件、付け加え。
今回は、前回、前々回に引き続いてヒートシールの話をお伝えしますね。 ちなみに、前々回のがこれ。
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前回、ヒートシールには3つのファクターがあるとお伝えしました。 (前回のログがこれ。)
![](https://blisterpack-lab.work/daisei/wp-content/uploads/2019/03/567316_l-300x200.jpg)
ブリスターの包装で、3つのファクターを調整してもヒートシールがうまくできない場合、疑うべきは・・・・
それでもだめなら! 疑うべきは?
ズバリっ! 〝ホットメルト〟 です。
それはなぜか? というと・・ ブリスター包装での〝そもそも〟を思い返してください。
ブリスター包装は、圧着ではなく溶着です。 そもそも…
台紙と容器は何でくっつけてるのか?
溶着を成立させているモノはなんでしょうか?
…そう! その答えは、〝ホットメルト〟です。
つまり、台紙に対するホットメルトの加工がマズければ、全て台無しということです。 ホットメルトの塗布の仕方、ホットメルト剤そのもの、もしくは、台紙(表面の印刷)との親和性、台紙の素材など、そのいずれかでもまずければ、着かないという状態が発生します。
う~ん、実にシンプルですよね。
シンプルに考えてみる。
着かないというトラブルが発生した場合、一般的な作業として考えてみてください。 例えば、何かと何かを接着剤でくっつけるという作業をするといった、〝くっつける〟作業を考えてみます。
対象となる素材に対する接着剤が不味ければ(不適切なら)、あるいは、その接着剤の塗り方が間違っていれば、その対象のモノAと、モノBはくっ付かないでしょ?
それと同じ理屈です。 でも、これに気が付くまでってかなりスッタモンダするんですよね。
前々回くらいでお伝えしたかもしれませんが、それぞれの業者では、
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うちのせいじゃない!
という責任転嫁がはじまります… 確かに、自分たちの仕事の所為にされたらたまりませんよね。 気持ちはわかります。 でも、実際に〝着かない〟という状況が起こっているのですから、皆で協力して、そのトラブルを終息させる必要があります。 では、ホットメルトを疑って、次に何を確認するか? ですよね。 ちょっと説明しますね。
ホットメルトへのアプローチ。
ホットメルトへのアプローチは、こんな感じです。
- ホットメルトが溶ける温度を確認。
-
台紙を制作したメーカーに、ホットメルトの溶ける温度を聴きます。 その温度に基づいて、溶着テストを行います。
- 使用されたホットメルトの材質を確認。
-
ホットメルトには、おおきく分けて、水溶性と溶剤系の2種類があります。 溶剤系の方がくっ付きやすいと言われていますが、対環境への配慮で現在は水溶性が主流なようです。
- 台紙の素材を確認。
-
台紙へのホットメルト剤の吸い込み(吸収)を考えると、台紙の素材には向き不向きがあります。 パッケージのデザイナーは上質紙を好まれるようですが、溶着の作業性を考えると、古紙が向いています。 古紙は繊維が粗いのでホットメルトが入り込みやすいという特性があります。 つまり、着きやすい。
- 台紙のデザインでの印刷時のインクを確認
-
ホットメルトとインクとのマッチングが悪い場合、着かないという状況が発生します。 ある色目だけ着かないという状況がある場合、その箇所の色を変える、もしくはインクの素材を変える必要があります。
上記のような事柄を確認していきます。
手っ取り早い確認方法。
一番手っ取り早い確認方法が、
過去使用して問題のなかった台紙で試す
ことです。
全くの新規の場合には、難しいと思われますが、例えば、台紙のデザインを新しくしたりとか、台紙制作の依頼先を変えたとかという場合に、以前の台紙を使ってテストしてみるという手段がすごく有効です。
うちでも、そうやって確認することがあります。 ちなみに、これは、以前うちで経験した出来事なのですけど…
着かない! さて、どうしよ?(体験談)
それは、全くの新規でブリスター包装を採用したいというお客様のときに起こりました。
うちのスタンスとして、基本的に包装資材(容器・台紙)はお客様にて準備としているため、その時も包装資材は全て、お客様にて準備されました。
機械ができて、いざ、溶着確認! で、試してみると… まったく着かないという問題が発生したのです。
医薬品を扱う系のクライエント様でしたので、包装以外のヒートシールに関しての知識はすごくおありで、それはそれはもう、ホントにいろいろと確認されました。
たかが、ブリスター包装で… というと語弊がありますが、医薬・医療系の分野で行なわれている、まったくレベチな確認方法で言われていたのを覚えています。
例えば、溶着面の圧力分布が確認できる試験紙で確認したり、その結果でシール面のバランスレベルや機械的な構成を確認したりというのがそれです。 正直なところ、うちの今までは、そこまでする必要もなかったし、そういう方法があることすら知らなかったんです。 汗
で、その確認に加えて、いろんな温度帯で試してみるも、それでも全くつかないという状況に陥りました。
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着いた? と思って確認しても、ウワベだけがくっ付いてるようで、パリっ と剥がれてしまう… 印刷面の特定の個所だけ、つかないという傾向もありました。
クライエントさんでは、今回リリースされる新商品に対して、ブリスター包装を採用されたということで、繰り返しますが、ブリスター包装に関しては未経験者です。 台紙の特性などに関しても、台紙メーカーにお任せという感じでした。
そのままでは埒があきそうになかったので、以前、別のお客様で使用した台紙をサンプルとして残していたので、その台紙を使って溶着を試してみたのです。
すると・・・!!! 全く問題なく、くっつく!! ではありませんか!!!
ということで、お客様にその状況を確認して頂き、くっ付いている台紙を持ち帰って調査し、新たに台紙を調整して頂きました。 調整後の台紙は、色で着かない個所があるのも改善され〝難なく〟くっ付いたのでした。
着かない! 時に大切なこと。
着かないという事案が発生した場合に、実は、もうひとつ大切なことがあります。 …なんだと思われますか??
それは… ホットメルトとか、機械の条件だとか、包装資材そのものなどの云々の話ではないんです。
一番大切なコト。 それは
〝各業者間とのラポール〟です。(※ ラポールとは、信頼関係のことです。)
あなたの会社がどういう経緯や状況で、その包材資材やその機械を手に入れてるかどうかはわかりません。 でも、もし、それぞれの業者に対して強引で横暴・横柄な態度で接して、それを得ているとするならどうでしょうか?
もしもの場合には、力になってもらえない可能性は否めないですよね?
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そんなの対応して当然でしょ?
仕事なんだし。
と言われる方が居られるかもしれませんよね。
幸い、上記に挙げた体験では、クライエントさんとうちも、クライエントさんの依頼先も良好な関係でしたので、事なきをえたのです。
でも、ちょっと考えてみてほしいのです。
もし、普段の生活の中で、偉そうに言ってくる人からトラブルなどが起こった時だけ、〝頼むは~!〟なんて、言われて… あなたは、快くその相談にのれますか?
相談に乗らなければ、後の報復が怖い… なんてことはあるのでしょうけど、それは、ハラスメントですよね。
ちょっと考えてほしいのは、仕事は、全て人間関係だということ。 社内に対しても、社外に対してだって、〝人間関係〟で成り立っています。 たまたま、その案件(テーマ)で結びついた… と言えど、縁があってのことです。
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という意味では、人間関係を善くすることが一番です。 なので、普段からその辺りは気を付けていきたいものですよね。
修正・加筆 2024/06/19
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