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どんな風に処理能力を捉え、考えるか?

機械での処理能力。 それをどう捉えるかで随分とレイアウトやもろもろが変ってくる。。

こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!

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さて、主題の件。

機械の処理能力をどう捉えるか?

機械を検討していく上で気にされるのが『処理能力』だと思います。 

特に包装機械の場合、大多数の方が、『1分間にどれくらいの処理ができるのか?』 ということを重要視されるようです。 

処理能力とは、生産数と直結していることでもあり、それは労働条件や作業時間などにも大きく関わってくるため、重要視されるのは当然と言えば当然ですよね。 

機械を設計する面から言えば、処理能力は、その仕様を決定する上で重要なファクターのひとつでもあります。 

要求される処理能力によって、機械への設計の仕方や考え方、コストが変ってくるからです。 ハイスペックな処理能力を要求される場合には、機械的に高度な処理スピードやメカニズムを搭載する必要があり、一方で、それほどの能力が要求されない場合は、そこそこの構成で済むというわけです。 おのずと、コスト面でも雲泥の開きが生じます。

しかし、ここで注意しておきたいのは、処理能力の捉え方と考え方です。 

処理能力の捉え方を誤ると、生産数をあげるどころか、かえって下げてしまう結果を招く恐れがあるからです。

画像はイメージ。

単体でみるか? 全体でみるか?

処理能力については、ザクッと2通りの捉え方があります。

ひとつは〝機械単体で捉える〟ということと、もうひとつが製造ラインやその生産に連なる「全体で捉える」ということです。

単体の場合は、言うまでもなくその機械そのもの能力ということになります。 カタログに示される値での判断などがそれです。 例えば、分100個という処理能力を謳ってる機械があったとして、それで能力を図るということです。

一方の全体で捉えるというのは、例えば、対象製品がその機械に仕掛けられる上流側から、完全に製品になる下流までの工程を通じた全体での能力のことです。 これには、製品に対する資材やパーツといった物の流れや、作業者の動き、能力も加味されます。

概ね、単体で見る嫌い?

ボクの経験からいうと、処理能力については、概ね機械単体で捉えられるケースが一般的というか、多いです。

例えば、『処理能力 100個/分』とするなら、その100個という値を正にして、そこから日産や月産の計画を弾いていくという感じです。 

しかし、その数値で計画をしていくのは尚早だと思うんです。

能力の根拠とそのための条件。

まず、処理能力100個/分 という数値の根拠というか、基準を明確に捉える必要があります。 100個と書いてるから、100個なんじゃないの? って考えるのが尚早なのです。 

どういう条件下で100個が達成できるのか? また、その数値は最大値なのか? 常用できる値なのか? それを知っておく必要があるということです。 

100個処理することができたとして、もしかするとそれは、『理想(理論)値』であって、現実的ではない場合が多いです。 こと、包装機械の場合で言えば、機械で使用する包材の状態が大いに関係してきます。 

例えば、うちが扱っている溶着タイプのブリスター包装であれば、中身である製品もさることながら、包材が大いに関係してきます。 

台紙の糊引き具合がそれにあたります。 あとは、紙の質感や印刷の具合、厚みといったことや容器の精度、質感、出来栄えなども影響してきます。 それに加えて、その作業を行うオペレータのスキルや対象製品の取回し(機械へのセットなど)上の仕方や段取り、その動線といった事柄も当然、能力にかかってきます。

自動供給などを搭載している場合、紙質などの包材の具合が変ると、たちまち動作に影響を及ぼしてしまうのです。 それに、糊引きの問題は顕著です。 1秒で溶着できる想定で、それができないとするなら、能力はずいぶん変わってきます。

ということを考えると、実際に仕様通りの処理を満足させるとするならば、全てが100%揃っていないと難しい… というか、無理だということです。

なので、気の利いた生産計画を考える担当者では、概ね、8割程度の能力で試算されるようです。 

低めに試算して、それ以上の結果がでたなら計画のアジャスト幅が拡がるというわけです。 カツカツで計画してしまうと、思ったような生産数にならない場合には調整代がなくなってしまいます。

全体を通じて判断する。

処理能力を考える場合、全体を通じて考えるのが得策です。 

前述した中にもあるように機械を運用していく上では、さまざまなファクターが関連してきます。 単純に機械の性能だけでみてしまうと誤った判断に陥りやすいのです。

それゆえ、実際に運用する場合を想定し、現実的にどうなのか? ということも考えておく必要があるということです。

例えば、ものすごく高性能で、高スペックな処理能力をもった機械があったとします。 ここでは、仮に、処理能力1万個/分とでもしましょうか。

1万個だ! めっちゃ、すげーー! これで、生産が楽になる!

と、頭の弱い担当者は思うわけです。 それで、そのスペックに飛びついて購入。。

でも、その前に、1万個/分できたとして、その次の工程でどうなるのか? また、1万個の処理を継続させていくために、上流側の工程がどうなるのか? を十分に考える必要があります。

処理能力が高いに越したことはないです。 

けど、後の工程がそれに追随しないのであれば製品の滞留をうみます。 ある種の製品によっては、仕掛品の山ができるということです。 または、後工程の作業者に多大な負荷を与えるという結果も招いてしまいます。 処理が間に合わない場合には、人員を増やすなどと言ったことが必要になるでしょう。 もう一方の上流側の工程では1万個の能力を維持・達成させるための仕組みが必要になってきます。 

それが難しいのであれば、1万個の処理能力は無駄になるということです。

バランスで捉える。

導入する先がラインユースであれ、単体ユースであれ、機械には前後の工程が必ずあります。

どういうことか? というと、機械は〝空〟で使わないからです。 何かしらの材料が投入され、それに伴うマテハン(物の扱い)が発生します。 また、機械で処理した後は、おのずと次工程があるわけです。

とするなら、そこには何かしらの繋がりの流れがありますよね? 

生産ラインであるなら、前後工程の機械や、人の流れ、物の流れがあります。 単体ユースであったとしても、物の流れや人の流れは必然的に発生します。 大切なことは、全体で考えるということです。

単体の局所的に捉えて、そこだけの能力を上げた場合、それが他に影響してしまいます。 例えば、次工程の能力が低いのに現工程の能力をあげた場合には、次工程が〝ボトルネック〟になってしまい滞留を生みます。 

これは、人が作業する場合でも同じくです。 機械に従事する作業者間で能力差がある場合、どちらかに負荷が発生してしまい、滞留を生むのです。

『流れ』を考える。

機械の処理能力を検討するには、まずは、対象となる全体の環境や状況を把握しておくことが大事です。 その上で、どこにどれくらいの能力を与えれば、『流れ』がよくなるのか? ということを考えていくのです。

一番いいのは、全部を能力増しで刷新すること・・なんでしょうけど、難しいですよね。

仮に、ハイスペックな処理能力なものを導入した場合、順次、そのハイスペックな能力へ合わせていくように、順番に入れ替えていくという施策を考えていきます。 それによって、将来的には全てが能力増しのスペックになるというわけです。

あと、機械の導入を検討するのであれば、もう一点、注意しておきたい捉え方があります。

将来を見越す。

それは『現状ベースで考えない』ということです。 

機械製作の打ち合わせ時に能力的なことを決めるに際してありがちなのが、『現状ベース』で考えてしまうことです。 今の生産数がこれくらいだから、それくらいで構わない。。という感じの考え方です。 特に、既存装置が古くなって、入れ替えたいという場合に多いです。

これは得意先での事例なのですけど、その時も同じく、現状の生産数から同じようなのでいいという判断をされました。 ところが。。 2~3年で生産数が間に合わなくなってしまったという事態が発生…

後の祭りで仕方がないのですけど、仮に現状の生産数で間に合っていたとしても、どうせつくるのであればもう少し余裕を見た方がよかったのでは? と思うのです。 まぁ、結果論ですけど。

先見性をもった包括した目線が必要。

将来を見越して考えていくにあたっては、『時間』も大きな捉え方のひとつです。 

概ね、生産数だけを主体に考えてしまいガチなのは否めないのです。 前述のところでも、現状の生産数、8時間の労働でこれくらいだから、次回も・・ という感じでした。 

でも、それってどうなんだろう? と思うわけです。 本当に8時間でいいのか?

例えば、現状8時間であるなら、6時間で考えてみるとか労働時間を短縮させる方向で考えてみるのはどうか? ということです。 しかし、だいたいは、労働時間を変えること自体が聖域を変えるかのごとく、タブー視。 

もっとも、機械を設計する側から言えば、時間を長めにとれるということは、その分、タクト(サイクルタイム)にも余裕ができるので設計する上では楽になります。 

でも… 能力をあげ、短時間で処理が済むのであれば、時間当たりのパフォーマンスは当然あがります。 また、短縮できた時間を別の案件なり、作業などへリソースを振り分けることができます。 もしくは、短縮できた分のインセンティブをスタッフへ払うことで、スタッフのモチベーションも上がる可能性もあります。 設計上はシンドイのですが、生産現場を考えると、メリットの方が多いです。

しかし、残念ながら、時間短縮に切り込んだ機械の処理能力への検討という考え方は、ボクの体験では今のところまだありません。

労働時間の短縮への捉え方は。働き方への多様性も生み出しやすく、将来を考えていく上では大きな可能性があると考えています。


時短設計®な視点で、あなたの包装作業の現場が、少しでもハッピーに快適になることサポートをしています。

ご相談は随時受け付けております! お気軽に。

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けたろーのアバター けたろー 包装機械移相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)