公式LINEはじめてます!

選べる3形態。搬送の仕方で作業性と作業効率が大きく変わるんです。

なんだかんだと季節は正直にめぐっていきますよね。 寒くなってくると朝起きるのがつらいです…

こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。
ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!

受託包装を絶賛承り中です!。 お気軽に!

めざせ、100人! ってことで、Youtube やっているのですが、なんと! お陰様で100人突破しました! これもひとえに、皆さまのお陰です。 次は1000人目指してコツコツ。 できればチャンネル登録お願いします!

さて、今日の話題は…。

どんな搬送形態を採用するか?

ご存じの通り、うちはブリスター包装機をオーダーメードで製作しています。 

製作の依頼を頂いたときに気にすることは、『どんな搬送形態でアプローチするか?』 ということです。 なぜか? と言えば、搬送形態によって作業性や生産規模、生産効率が大きく変ってくるからです。 

うちが得意なのは『ターンテーブル型』の搬送形態なのですけど、実はそれ以外にもバリエーションを持っています。

ひとつは、アタッチメント付のチェーン並列に配して、その間に容器用の型を設置し、ベルトコンベアのような方法で型を間欠停止させながら送っていくといういわゆるコンベア型の搬送形態。 もうひとつが、カルーセルタイプと呼んでいる楕円型の軌道で搬送する方式です。

その他には、お客さんでの設置場所や全自動にするか否かで搬送形態も変わるのですけど、大きくは、上記に挙げた3形態です。

過去では、ご依頼の内容についてターンテーブル型とコンベア型のいずれかで構想を考え、お伝えしていたのですが、カルーセルタイプができるようになって、お客様への対応に際しての選択肢が増えました。

それぞれの特徴をザクッと。

それぞれの搬送形態には、当然それぞれに特徴があります。 なので、生産規模や設置スペース、作業性、人の介入具合など、作業現場での状況をお聞きしながら、どの形態がベストなのか? を考えていきます。

3形態の特徴を簡単に説明すると、こんな感じです。

搬送形態作業性自動化生産規模設置型数
ターンテーブル平面搬送良好比較的容易中・小ロット向けコンバクト
コンベアリターン式やや良好容易大規模ロット向け直線的
カルーセル平面搬送良好容易大・中・小ロット向けやや大きめ
3タイプでの特徴比較

コンベアタイプがベルトコンベアのような〝リターン式なのに対して、ターンテーブルとカルーセルタイプはいずれも平面搬送です。 端的に言えば、ターンテーブルとカルーセルは〝表(上面)面〟に見えている全ての型を使用することができるので型に対しては無駄がありません。 一方のコンベア方式では、リターンする側(下になる方)はあくまで搬送目的になるため、使用する型枚数の観点から言えば無駄になります。 

つまり、例えば型数40枚とした場合、全ての型を処理に使うわけではなく、表面に見える16型くらいが作業領域として使用可能で、残りがリターンに必要な枚数ということです。

ターンテーブル

ターンテーブルは円盤を回転させる搬送形態で、うちでは、処理の規模や内容によって90度4分割、60度6分割、45度8分割でご提案・対応しています。 うちの場合、概ねは45度8分割が多いです。 なお、対象製品のサイズによって、テーブルのサイズが変ってきます。 

ターンテーブル型の例

ちなみに、ターンテーブルの方式を採用されている機械屋さんは多いです。 だけど、ターンテーブルの作り方と間欠停止の行い方がうちとは全く異なっています。 なんでか?

ブリスター包装時の溶着方法について、木型を使って台紙側から熱を印可する方式が一般的なので、その場合、間欠停止時の停止精度があまり必要ではないのです。 乱暴な言い方をすれば、熱板のエリアにさえ入る停止精度があればいいという感じ。 また、多数個取りの大きな木型に対応するため、テーブルはつぎはぎで製作されている場合が多いようです。

良好な停止精度での恩恵。

うちの場合は、ブリスター(容器)側から熱を印可するという方式を用いるため、ある程度の停止精度が必要になり、それを実現するためにサーボモータを採用しています。 

サーボであるため安全性を高めることが可能で、また、回転時の特性なども加減速などの設定にてユニークに変更することができます。 ちなみに、ターンテーブルにはアルミを採用し、一枚もので製作しています。 なお、アルミ材の都合上直径1500mm程度が限度となります。 

停止精度が良好なので、台紙供給やブリスター容器の自動供給への対応が容易に設定できます。 うちでは、当初から自動化を目指した機体設計を行っていて、台紙供給やブリスター供給を自動的に供給することで、作業負荷の低減を図ることができます。 投入物の形状にもよりますが、もちろん、製品自体の自動投入にも対応可能です。

停止精度があるのでインクジェットプリンターを組み込んで、機体の中で台紙に印字を行うということもできます。 最近では、製品のトレーサビリティが叫ばれているので、これがなかなか便利がよいです。

シンプルな構成。

ターンテーブルでは回転と停止だけの動作ですので、機械構成的にはシンプルです。 なので、機械初心者のところでも比較的管理しやすい機体になります。 

製品サイズにもよりますが、テーブル上の型の構成で1個取り~3個、4個取り程度可能です。(取り数にて、テーブルサイズや機体サイズが変ってきます。) 

内容物の扱いは、手投入で対応される場合がほとんどで、ブリスター容器に関しても手投入される場合が多いです。 ただ、容器の形状がある程度決まっていて品種替えもさほどない場合には、自動供給を検討される方も多くなってきました。

オペレーターへの負荷や近年のスタッフ事情を考えると、自動供給で対応する方が楽なのかもしれません。

参考動画。

コンベアタイプ

ベルトコンベア方式な搬送形態で対応するのがこのタイプです。 アタッチメント付のチェーンを並行に敷いて、その間に型を配置し、モーターで間欠停止させながら搬送するという方式をとります。 比較的大ロットな生産規模に向いています。 機体の構成上、直線型の生産ラインに向いています。 

オペレータの手作業にて内容物を入れる場合、機体を中央にして両サイドに人員をおくような格好になります。

ちなみに、機体の動作はこんな感じです。

少し無駄が多い。

コンベアタイプは大規模ロットに向きであることは前述した通りです。 品種が一定している場合にはものすごく効率がいいです。 しかし、多品種小ロットには向いていません。

なぜか? 型枚数が膨大になるからです。 前述した通り、使用できる型は表面に見えている分でしかなく、残りはリターン用途です。 つまり、厳密に言えば、包装として私用できるのはごく一部ということになります。

製作するうちの立場で言えば、型がたくさん出てくれる分、ぶっちゃけ、ありがたいと言えばありがたいのですけども。笑 

使う側からすれば、しんどいですよね。(^_^;)  もし、型替えなどが発生すると結構大変な作業になります。 且つ、型の管理面で言っても、場所の確保などが必要になってきますので、余程のことがない限りお奨めはしないです。

ただ、動作的にはシンプルな部類になるので機体の管理はやりやすいです。 単品の大ロットで、自動化したいという場合にはうってつけの方法であることは間違いないです。

カルーセル(楕円軌道)

カルーセルタイプもターンテーブルと同様、平面搬送の形態となります。 ターンテーブルと同じく、表面に見えている型が全て使えるので、コンベアタイプに比べて、型に対する無駄がありません。 

また、ターンテーブルでの弱点を補った形態がカルーセルタイプになります。 

ターンテーブルの場合、その名の通り円盤を用いた搬送となるため、自動供給など外部機器をつける場合、テーブルを中心に放射状に配置する格好になってしまいます。 人員の配置でも同じく、テーブルの外周に沿う形になります。

要は、円盤なので『直線』部分がとれず、〝供給〟を考える場合にはレイアウト上、それが少し難点になってしまうのです。

そこで考えたのがカルーセル(楕円軌道)です。 

楕円軌道であれば、直線部分が確保できます。 直線部分を利用すれば人員配置やその他器材の配置が行いやすくなります。

こと、並びで何かをするという場合、この搬送方式は非常に有効です。 

ちょっとした難点。

ターンテーブルタイプと同様の平面搬送でありながら、ターンテーブルと大きく違う点は、型枚数への自由度です。 

ターンテーブルの場合、円盤の分割度合いで型枚数が決まってきます。 製品サイズが小さい場合、細かく割ることができますが、概ね、8~12分割程度です。

一方のカルーセルタイプは、経路上の搬送型を増ふやすことができるため、極端なことを言えば、枚数に制限はありません。 また、カルーセルタイプではターンテーブルと比べて大きめの製品サイズにも対応しやすいのです。 

ただ、自由度がある分、設置面積という面で難点が生じます。 ターンテーブルやコンベアに比べると、比較的大き目な設置スペースが必要になります。 

しかしながら、インクジェットなどの付帯も行いやすく直線部分の活用もしやすいので、広さのある作業現場には、この方式をお奨めします。

その他。

その他としては、客先での設置スペースがそれほど十分にとれず、且つ、自動対応してほしいとの要望から、ローラコンベアを使ったコマ送り方式の搬送も手掛けたことがあります。 省スペース化を実現し、製品投入を含めた全自動の機体でした。 

ご要望、叶えます。

結論から。

お客さんの状況、状態、環境は千差万別。 なので、どれがいいというのは一概には言えないです。 ただ、うちの場合では搬送に対してのバリエーションがあるので、経験を踏まえたある程度のご提案は可能だということです。

且つ…

ブリスター包装を機械化する場合、どのような搬送でアプローチするか? が一番のキモになるのだと思っています。 

なんでか? 

というと、溶着タイプのブリスターで考えた場合、〝溶着できること〟が前提であるとするなら、そこに至る過程が【搬送である】からです。 要は、搬送の仕方で作業性や効率が決まってくるというわけです。

搬送って、マテリアルハンドリングの一部です。 

大事なことは、如何にワークをハンドリング(取り扱う)するか? ブリスター包装に限らず、全ての機械に言えることなんだと思います。


時短設計®な視点で、あなたの作業現場が、少しでもハッピーに快適になることサポートをしています。

ご相談は随時受け付けております! お気軽に。

よかったらシェアしてね!

Written By

けたろーのアバター けたろー 包装機械移相談士/時短設計®士。

包装機械相談士。時短設計®士。 先代よりブリスター包装機と関わり約40年余り。『人海的な手作業』が主流のこの包装業態に風穴をあけるべく、もっとブリスター包装機械のことを知ってもらいたくてこのサイトを立ち上げました。包装作業は毎日のことなので、なるべく、その負荷を減らせるようできればと思ってます。 人手不足や働き方改革が叫ばれている昨今。何かのきっかけになれば幸いです。 あなたの生産現場が、最高最善にハッピーになれますように。(*^-^)