「海外展開したいんです!」と、輸出を考えられているなら、ちょっと考えてほしいことがあります!
こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!
受託包装を絶賛承り中です!。 お気軽に!
さて…
商品の海外展開を考えているのなら…
マーケットを幅広くしていきたいという場合、海外への展開も視野にいれて考えていくのがごく一般的なことなのだと思います。 しかし、『さぁ、販路拡大! 海外進出!』 となった時、流通経路やマーケティング的な売れ筋など、まっさきに『売ること』ばかりに注力してしまう傾向があるのは否めないですよね。

確かに、売ることは大切です。 でも、ちょっと考えてほしいことがあるのです。 実は、これはとても大切なコト…
海外展開で考えておきたいこと。
それは、売り先での〝治安〟という視点での考え方です。

ご周知の通り、我が国民は行儀がよく、それに国としての治安もものすごくいいのですよね?
治安のいい日本においては、概ね「性善説」で物ことが決められているきらいがあります。 つまり、『お客さんは安全だ』「お客さんは悪さをしない」という〝暗黙の前提〟がどこかしらにあるということです。
実は、包装形態にも、売り方そのものに対しても〝性善説〟がすごく表れています。 日本国内と同じように包装形態を捉えてしまうと、マズイ結果になるかもしれないです。
大概の場合、そこに「盗られるかもしれない」という前提はありません。
そこに注力するよりも、包装のデザインとか、資材のコストといった方が優先されるキライがあります。 しかし、残念ながら、その考え方が通用するのは〝国内のみ〟なのです。 もし、海外への展開を本気で考えられているのであれば、その考え方は全く通用しないということを理解しておいた方がいいです。
スライドブリスターは根本的にダメ。
ブリスター包装で言うと、日本ではスライドブリスターが主流です。

しかし、残念ながら、スライドブリスターは海外では敬遠される包装形態になっています。

え! そなの??
と、思われたあなた! 実は、そうなんです! では、なぜ、敬遠されるのか?
メーカー側の信用を損なう恐れも…
それは、〝中身を簡単にぬきとること〟ができるからです。
これは、すでに海外展開されているお客様から実際に聞いた話なのですが、彼ら曰く、お客ではなく従業員が抜き盗ることがとのことです。



え、それはないやろ~!
と思われたあなた! そう思うのは、きわめて日本の考え方なのです。 実際、前述の会社さんではスライドブリスターの形態で売ろうとして、現地のバイヤーから



その包装はやめてください!
と言われたそうです。
もしも、このままスライドブリスター採用して販売する場合では、〝盗られやすい包装形態〟を採択している企業側に責任がのしかかってくることもあるとのことです。
「盗られること」を前提に考える。
海外で販売する場合には、むしろ『盗られること』を前提に包装形態を考えた方が無難です。 つまり、【盗られる】前提で考え、〝盗られにくい〟パッケージを採択する… これが鉄則になります。
しかし、ここ最近の治安の低下を鑑みると、このことについては国内においても同様だと思われます。
こと、スライドブリスターは改ざんされやすい部類の包装形態です。 ステープル(ホッチキス)やシールなどで留めているとはいえ、開封は容易です。 ということを考えると、実は、かなりリスキーな包装になります。
店側も万引き等の防止策として、自前でオーバーラップ(ラップでぐるぐる巻き)されているところもあります。 中身が高額商品になると、余計にそういった対策をとられるようです。


ではなぜ、そんなリスクのあるスライドブリスターが国内では主流になっているのか? それには、こんな理由があります。
その理由は大きく2つ。
1.包装に係る設備が不要で、人手だけで作業ができる。
2.包装作業中に失敗してもロスがない。
結局のところ、対顧客(販売店)というよりは〝製造側の理屈〟が大きく関与しているということが言えます。 つまり、製造メーカー側の利便性だけで採用されているというわけです。
でも実は、その考え方には、大きな落とし穴があるのです。
実は、スライドブリスターはコスト高。
以前のログにも書きましたが、実は、スライドブリスターはコストが高いのです。


コストが高くなる理由には、資材という面と、作業性という面という2通りあります。 ちなみに、以前のログで書いたのは容器資材という面で見た場合です。 (作業性については、また次回のテーマでポストします!)
実は、その他にもう一つ大きなコストが潜んでいます。 それは、
信用 信頼
という〝目に見えない〟部分でのコストです。 「万が一」が起こった時には、これが一番大きなコストに成りえます。 コストというより、代償といった方がいいのかも…
大事なのは、メーカーとしての姿勢。
「盗られやすい」包装形態を採択して、そのリスクを販売店に追わせているとするなら、その製品の振り出し元であるメーカーの責任はどうなの? っていうことです。 その辺りは、海外の方が、もっとずっとシビアですものね。 最悪のケースは、訴訟です。
日本国内で〝普通〟にしていることが、海外では全く普通じゃなくなるというのは至極当然のことです。 そもそも、文化も違うし、考え方も、生活スタイルも、何もかもが違うわけですから、それなりのアプローチで臨んだ方がよいです。
もし、ブリスター包装を使った製品を海外で展開するお考えがあるなら、溶着タイプが安全で且つ信頼性も格段にあがります。 なぜかと言うと、〝破らないと出せない〟からです。


ちなみに、うちのあるお客様は、商品を海外展開、特に、アジアに目を向ける場合には、溶着タイプが〝MUST〟であると言われていました。
というわけで、もし、海外展開を考えられているのであれば、相手市場の『治安』っていう面もちょっとケアした方がいいよという話でした。
修正・加筆 2024/06/20
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