実は、うちの取り組みがメディアに取り上げられたのです。 今回は、そのことについて、お伝えしたいと思います。
こんにちは、
大阪・柏原でブリスター包装機をオーダーメードで手掛けています。 ブリスターパック・ラボ、担当のけたろーです!
受託包装を絶賛承り中です!。 お気軽に!
さて…
メディアに取り上げてもらいました!
うちの取り組みがメディアに取り上げてもらったんです! 〝取り組み〟が何かというと、
【ブリスター包装に点字を入れる】
という取り組みです。
まず、毎日新聞社さんで、5月25日の朝刊の経済紙面にとりあげて頂き、先日の6月9日にはなんと! 関西テレビの 報道ランナー という番組 でとりあげて頂きました!
むろん、ボクも出演してます。笑
撮影中の一コマ。



あと、大阪日日新聞さん、点字毎日さんの取材も受けました! 記事掲載はもう間もなくだと思います。
きっかけは、些細なことから。
そのきっかけは、ふとした疑問からでした。

目の悪い人って、どうやって中身を知りはるんやろ?
なんてことが、ふっと頭に浮かんだんです。 ブリスター包装に係ってるからなのかもしれませんが、包装された商品を手にとってみて、中身もわからないので、どうされてんのかなぁ? なんて、そんな感じの疑問。
例えば、歯ブラシについて。 目が見えなくても、当然、歯磨きはされます。


歯ブラシのパッケージには、〝かため〟〝ふつう〟〝やわらかめ〟と書いています。 でも、〝書かれている〟からそれが何かわかるのであって、書いてなければブラシ部分を触らないとわかりません。
目が見えない場合、パッケージを手に取って開けるまで、硬さの種類を知る術がないのでは? … と思ったのです。
ブリスター包装は、透明の容器を使うことで中身が判断できるというのがウリの包装形態なのですが、 よく考えれば、それは〝健常者目線〟でのことです。 まぁ、この点はブリスター包装に限ったわけではなく、包装全般に言えることなのですが…
ともあれ、目の見えない人からすれば中身が見えるかどうかは特に関係のない話であって、もしかすると、彼らにとっては、この容器の所為でものすごく使い勝手が悪い商品になってしまってるんではないか? とも思いました。
こと、ブリスター包装は、すごく多岐にわたって使用されています。 日用品から、文具、工具、食品もそうだし、日常生活用途のいろんなものに使われています。
だからこそ、



ブリスター包装に点字いれたらどうやろ?
などいうアイデアが出てきて、点字を入れるということがものすごく意義があることでは? と思ったのです。
商品の枠を拡げて考えてほしいなぁ。
が… そこで障壁になるのが〝コスト〟だと思えたのです。
単純に点字をいれるということなら、予め包装資材に点字を施すことで実現可能です。 でも、そうすると、資材の単価が上がってしまいます。 ただでさえ、資材単価にはケチなシビアな業界… それに加えて、点字を入れることで包装への作業性が悪くなってしまうともなれば絶対無理かも… って思ったのです。
そこで、どうすれば、コストをかけず、且つ効率的に点字をいれることができるのだろうか? といろいろと模索してみたんです。 すると!
うちで製作しているブリスター包装機のコンセプトが点字を入れるのにすごく適していることに気が付いたのです!!


それで、社内にあるデモ機で機構を実装し、目途がたったので、特許申請をしてみました。 (ちなみに、現在特許出願中です。2017年現在)
ところが…。
その他の障壁。
機械上で点字が打てることを確認し、ハード的な障壁はクリアできました。 点字をうったサンプルを作成し、いき勇んで、



ブリスター包装過程で、こんなことができるんですけど!!
とお客さんに点字のことをお伝えするのですが、ほぼ全員の方が決まって、



いや~
うちの商品は目の見えない人には関係ないから!
っていう反応。 正直なところ、ボクもこれができるまでは、同じ考えでいたのであまり強く言えないのですが・・。(´Д`ι)アセアセ
目が見えなくても…
メディアにとりあげて頂いたことが縁で、程なくして、実際に全盲の方とお話をする機会を得たんです。
彼と話をしたとき、自分の考え方がものすごく偏っていて、間違ってたことに気が付きました。 気が付いたというか、〝気づかされた〟のです。 それは、
目が悪い人はこんな商品使〝え〟ないんだから、これに点字を入れても無駄だろ
などという考え方。 でも、それは、目が見える側の勝手な思い込みなのです。
彼と話していて感じたのは、「ボクら『よりも見えている』ということ」です。 いや、ボクら〝以上に〟見えているっていうのが正解かもしれませんね。 加えると、見えているというか、よりセンシティブ… つまり、感じてるということ。
〝見えている〟ボクらよりも視覚以外の五感がもっとずっと発達しているのです。 目が見えないから使えないというより、見えなくても普通に使えるという感じです。
思い込みの認識は捨てるべき。
だから、〝うちの商品は彼らには使えない〟という考え方は、ある意味、非常に利己的で、 且つ、思い込みに満ちた考え方であるとも言えます。
それで、ここからがポイントなのですけど…
前出の全盲の方とお話した時に、教えてもらったことがあります。 それは、〝今の時代、スマホで何でもできる!〟ということです。 ボクは全く知らなかったのですが、スマホ(iphone)の機能の中に、標準で〝読み上げ〟が 搭載されているとのことです。 文章など、スマホにかざせば文字列を読み取って音声で伝えてくれるという優れた機能です。
つまり、スマホのお陰で、目で確認できない分、音声で手軽に確認ができるようになったということです。 彼曰く、バーコードをスキャンできさえすれば、そのモノが何であるかも瞬間的に把握できると。
ただし、ここでの問題は、悲しいかなバーコードは平面(2次元)なので、バーコードがどこに記載されてあるのかわからないのが難点だと言われてました。
でも、その問題は点字を組み合わせれば回避できる可能性が高いと思うのです。 バーコードの位置を知らせるために〝点字の突起(ドット)〟を活用すれば、わかりやすくなるはずです。 更に、例えば、点字がついてる裏側にバーコードを配置するという感じで、業界としてルールづけすればよりわかりやすくなると思います。
識字率が低いからこそ。
加えて言えば…
点字を勉強してみて分かったのですが、実際のところ、点字の識字率… つまり、点字を理解できるかどうかの割合は、10%程度だと言われているそうです。


10%! この数字を聴いて、すごくびっくりしました。 〝目の見えない人は、皆点字が読める〟という勝手な思い込みがあって、それが実際には全員が読めるわけじゃないっていうことがわかって、それが驚きでした。
確かに…
目が見えなくなるという状況を思えば、皆が皆、初めから目えないというわけではないですもんね。 先天的な方は、点字に対する理解力があります。 でも、特に、事故や病気で後天的に視覚障がいになった場合には、点字を理解することが難しいみたいです。
これもやってみたらわかるのですが、点字のパターンを目で見てこそ理解は比較的容易なのですけど、目で見ず、それを指先だけで感じて理解せよって、かなり、ハイレベルな難しさです。 汗
とするなら、なおさら、デバイスを活用していくのがベターではないのか? と思います。 (現在、うちでは目の見えない方に向けた更なる開発に取り組んでいます。2024年現在)
健常者であったとしても、年を重ねていけば目も見えづらくなるわけですし、病気やけがでそういった状態に陥る可能性はゼロではないでしょうから、仕組みを創っておけば、ほぼ全ての人に有用になっていくと思えます。


障害がある・なしの括り方の考えをやめて、ホントの意味でのバリアフリー化、ユニバーサルデザインが必要なんだと考えています。
修正・加筆 2024/06/24
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