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資材メーカーが「問題なし」と言い張るとき、機械メーカーにできること

昔から、ブリスター包装で溶着トラブルが起きると、たいてい「三社対決」のような構図になります。

こんにちは。

大阪・柏原市で、現場に合わせたブリスター包装機づくりをしている、ブリスターパック・ラボのけたろーです。 ここでは、ブリスター包装や周辺工程のことをできるだけわかりやすく書いています。

さて、今回の話題は…

トラブルは、たいてい「三社対決」になる。

客先で「着かない」という問題が発生すると、ブリスター容器メーカー、台紙メーカー、そして機械メーカー… この三者のうち、誰に原因があるのかを探るところから始まります。

新規で導入される場合で問題が発生すると、だいたい、3社での話し合いになります。 でも、ある程度、経験をつまれているお客さんのところで、容器そのものが変わっていない場合は、話はもう少しシンプルになります。 

台紙メーカーと機械メーカー、この二社の間でのやりとりに絞られるからです。

前回、「以前は着いていたのに、突然着かなくなった」という記事で、台紙のデザイン変更後にホットメルトが原因だったケースを紹介しました。今回は、あの裏側で実際に何が起きていたのかを書いてみようと思います。

「機械側の見識がほしい」と言われて、現地に行った話

以前のことです。 納めて5年くらいでしょうか、うちの機械を使ってくれているお客様から、連絡がありました。 台紙のデザインが変更になり新しいものに切り替えた途端、着かなくなったとのこと。

温度も時間も調整してみたけれど、まったくつかない。 試しにストックしていた以前の台紙で溶着してみると、何の問題もなく着く。 

原因は、明らかに新しい台紙にあるようだと。 お客様は、その旨を資材メーカーに伝えたそうです。

でも、「ホットメルトも、塗り方も、前回と一緒で変えてない。」の一点張りで、いっこうに取り合ってもらえないらしくて…。 そこで「機械側の見識がほしい」と、現地確認を頼まれました。

現地に行って、その台紙を見せてもらいました。

手で触った感触からして、明らかに様子がおかしい。ホットメルト自体が塗られていないような状態でした。 むろん、溶着テストをしたのですけど、まったく着かない。 同じ条件で以前の台紙でやってみると、問題なく着く。 

「これは、絶対、新しい台紙が悪い。」と、その場でそのことをお伝えして、戻ってきました。

商社を挟むと、技術的な事実が届かなくなる

ここから、すこし話がややこしくなります。

お客様は、台紙を商社経由で購入されているとのこと。 ブリスター用の資材に限らず、ほかの資材も、その商社経由で購入されていて、いわば、過去からのお付き合いで、そこから買っているとのこと。

が… 今回のような件では、商社を通して、資材メーカーへ話しをすることになります。

電話越しのやりとりに困惑する技術者と、遠くで対応する担当者のイラスト

結局、商社からの返事は、「資材メーカーが問題なしと言っている。製造工程も変えていないし、糊も変えていない」という感じ。 伝達でしかなくなります。 

加えて、資材メーカーでもテストをしたのだけど、そちらでは問題なくついている。 だから、機械がおかしいのでは? という論法になってたようです。

でも、こちらからすれば、着かないのは明白であって、作業にも支障をきたしているし、一部、流通に回っている…。 実は、「着いているように見える」ものが、お客様の流通センターへ出荷されていて、そこで「着いてない」ということが発覚したようです…。

ボクが思う“筋”からすれば、商社も、状況を聞いているのだから、問題を突っぱねるのではなく、もっと親身になって聴くべきだと思うんですけどね。 自分のところの納先でのトラブルだから、メーカーに対して、よりよく対応してもらうよう要請するなどの措置があってもいいのかなって。

こういう時、間の立場で、「いったい、どちらをみてるんだ?」 という気分になります。 

埒が明かないまま時間だけが過ぎていき、最終的にお客様から「知っている業者があれば、教えてほしい」と頼まれることになったんです。

行き詰まりを動かしたのは、ネットワークだった

正直なことを言うと、うちのスタンスは、基本的に、台紙に限らず、包装資材への対応はお客様側の領域としています。 過去の経験から多少の知識はありますが、ボクらがすごく詳しいというわけではありません。 当然、資材を作られているメーカーの方が、知識も技術も多く持たれています。 

ただ、こういうときのために、日頃からのつながりが役に立つことがあります。

古くから、うちの機械を使ってくれている気安いお客様に相談したところ、そのお客様が使っている台紙メーカーを紹介してもらえることになりました。 紹介した会社に対応してもらったところ、問題なく着くようになったと連絡がありました。

そちらで着かなかった台紙を見てもらったところ、「糊自体が塗られていないんじゃないか」ということで、こちらと同じ見解だったそうです。 

お客様曰く、『一社だけに頼ってると、今回のようなときにヤバいんで、紹介して頂けて助かりました』とのことでした。

電話越しに安堵した表情で話す技術者と担当者のイラスト

機械メーカーの役割は、機械を直すことだけじゃない

このケースで、ボクらがやったことは、機械の調整ではありません。

現物を見て、技術的な事実を伝えたこと。 そして、行き詰まったときに、知っているつながりを頼ってもらえる存在でいたこと。 この二つだけです。

資材メーカーが非を認めない、商社を挟んで話が進まない。 そういう状況は、機械の設定をどれだけいじっても解決しないです。 だからこそ、ボクらは「機械の専門家」であると同時に、現場で起きていることを客観的に見る役割も担っていると思っています。

行き詰まった構図を動かすのは、正しい技術情報と頼れるつながりだったりするんですよね。

そうそう。 お客様が言われた通り、資材は一社だけに頼ってると、今回のように思わぬ事態を招くことがあります。 普段のお付き合いはあるとは思いますが、安定した生産を続けていくためには購買先を複数持っておくことも必要だと思います。 

技術面でも比較することができるので、安心できますよね。 

同じような行き詰まりで困っている場合は、一度、状況を聞かせてください。


ここまで読んでくれてありがとうございます。


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技術者が台紙を手に取り、ホットメルトの状態を確認しているイラスト

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Written By

けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士/時短設計®士。

ブリスター包装機と向き合い続けて約40年。
人海戦術が前提になりやすいこの業態で、
機械・設計・使われ方の視点から
現場の改善に関わってきました。

ブリスターパック・ラボでは、
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