ブリスター包装をされている現場では、「圧着」という言葉がよく使われます。
こんにちは。
大阪・柏原市で、現場に合わせたブリスター包装機づくりをしている、ブリスターパック・ラボのけたろーです。 ここでは、ブリスター包装や周辺工程のことをできるだけわかりやすく書いています。
さて、今回の話題は…
「圧着」という言葉が、誤解を生んでいる
世間的に知られているブリスター包装機は、概ね「高圧プレス機」のような形をしています。 そんな機械で圧力をかけてくっつける様子からなのか、「圧着」と呼ばれるようになったのだと思います。
でも、「熱溶着」が正解です。 なんでか? 圧着とは、圧力だけでくっつくことを指します。 でも、ブリスター包装の場合では、熱をかけることで、台紙や蓋材に塗布されたホットメルトが溶けて、圧力によって容器と密着させる。 圧力だけでは着かないんです。 「のり」がなければ、何をやっても着きません。
この前提を知っておくと、トラブルが起きたときの原因の探し方が変わってきます。
機械は正常なのに、着かない…。 現場で起きた3パターン。

ホットメルトにまつわる体験談があります。
台紙を変えたら、突然着かなくなった
機械を導入して、順調に問題なく溶着作業ができていて、ある日を境に着かなくなった。 機械側の設定は何も変えていない。 試しに以前の台紙でやってみると、問題なく着く…。
台紙のデザインを変えたあとに、それが起こったとのこと。 原因は明らかに新しい台紙にありました。 しかし、台紙メーカーに問い合わせると、まったく非を認めてくれず、対応もしてくれない。
仕事にならないので台紙メーカーを変えられた…。 というのがありました。
こういうケースは、台紙へのホットメルトの塗布がきちんとされていない公算が高いです。 見た目ではわかりにくく、ロットによってばらつきが出ることもあります。
なので、デザイン変更などで台紙を新しくする場合は、以前の「問題のない台紙」をしばらく置いておくのが得策です。 比較対象になるものがあれば、検証できます。
試作資材はOKだったのに、本番資材でまったく着かない
実は、カップシーラも得意で、これはカップシーラでの話です。
新しい形態のカップを使った新製品を出すとのことで、カップシーラを製作したときのことです。
まだ、本番用の資材がなく、試作の資材でテストしてくれとのことで、溶着テストをしました。 担当からは、本番でも同じ資材が使われると言われたので、少し安心していました。
ところが…。 いざ、本番用の資材ではまったく着かないんです。 担当に確認すると「組成は同じだから、着くはず。機械が悪いのでは?」の一点張り。 でも、手触りは明らかに違っていました。 周りの方たちにも触ってもらって、全然違うよねって。
着かないのは事実。 埒が明かないので、結局、資材を変えていただくことで解決しました。
カップシーラもブリスター包装機も、熱溶着の仕組みは同じです。資材側のホットメルトの問題は、どちらの機械でも同様に起きます。
立ち合い時の持ち込み台紙の溶着が甘かった
新しくブリスター包装機を導入されるというお客様で、機械の立ち合いをしたときのことです。 資材はお客様が準備されました。
持ち込まれた台紙で試すと、溶着が甘い状態が発生。 確認してると、決まって、ある部分だけ着きが甘い、もしくは着かないという状況が確認できました。 試しに、ボクたちがストックしていた別メーカーの台紙でやってみると、問題なく着いたのでした。
ホットメルトの扱いは、台紙メーカーによって経験の差が出るところです。
適切な塗布量、塗布ムラの管理、温度特性への対応、台紙の印刷インクとのマッチング——こういったことは、積み重ねたノウハウで品質が変わってきます。
3つのエピソードに共通しているのは、機械は正常で、設定も適切だったということです。 原因はすべて、資材側のホットメルトにありました。
ホットメルトの何が問題になるのか?
ホットメルトに関連するトラブルの原因は、大きく分けて3つあります。
ホットメルトがきちんと塗られていない状態。 見た目ではわかりにくく、「ある日突然着かなくなる」という形で表れることが多いです。 また、乾燥が不十分だとトラブルになることがあります。
最近は、ホットメルトを塗布した後、処理時間の短縮で強制的に乾燥される場合があるようです。 その場合、のりの成分が台紙に十分に含侵されないので、剝がれやすい状況を生みます。
台紙の印刷インキとホットメルトの相性が考慮されていないケースです。 印刷面にホットメルトが乗っている場合、インキの成分によっては溶着を阻害することがあります。 台紙メーカーがこの点を十分に理解していないと、現場に出てから問題が発覚します。
ホットメルトの扱いは、台紙メーカーによって経験の差が出るところです。 ホットメルトそのもの、塗布量、ムラの管理、温度特性への対応——これらは経験とノウハウの積み重ねで品質が変わります。
機械側で対応できること、できないこと
まず、ヒータープレートなどを含めて、機械側が正常に調整されていることが大前提です。 接触面の損傷や、面バランスの乱れがあると、熱が均等に伝わらず溶着不良が起きます。
そこがクリアされている上で、機械側の条件——温度、圧力、時間——を変えることで、溶着の状態を改善できる場合があります。 ホットメルトの温度特性に合わせて設定を調整するのは、通常の対応範囲です。
ただし、ホットメルトそのものに問題がある場合は、機械側でできることに限界があります。
塗布されていない場合、どれだけ熱をかけても着きません。 インキとの相性が根本的に合っていなければ、設定を変えても解決しないことがあります。
「機械の調整でなんとかなるはず」と時間をかけるより、早めに資材側の問題を疑った方が得策です。
切り分けの方法はシンプルです。 手元に別メーカーの台紙があれば、それで試してみる。 それで着くなら、原因は資材にあります。

着かないトラブルに直面したら
ブリスター包装やカップシーラで溶着不良が起きたとき、確認してほしい順番があります。
まず、台紙や蓋材のロットを変えて試す。 次に、別メーカーの資材で試す。 それで改善するなら、資材側の問題です。
機械側の設定変更は、その後で考える。 設定を変えて着くようになっても、根本的な原因が資材にある場合、ロットが変わるたびに同じ問題が繰り返されます。
「以前は着いていたのに」「試運転は問題なかったのに」——そういう状況で困っている場合、まず資材を疑い、資材メーカーへ連絡してみてください。 もし、資材メーカーが受け付けてくれない場合は、・・・正直、メーカーを変えた方がいいと思います。
機械側なのか資材側なのか、判断に迷う場合はご相談ください。状況を聞いた上で、一緒に原因を絞り込んでいきます。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
まだ何も決まっていない段階でも、相談できます。
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