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カルビーのパッケージが白黒になった理由。ナフサとは何か、包装現場に何が起きているか?|ブリスターパック・ラボ

2026年5月12日。 カルビーが「ポテトチップス」「かっぱえびせん」「フルグラ」など14商品のパッケージを白黒2色に変更すると発表しましたね。 ちょっとびっくりしました。 

こんにちは。
大阪・柏原市で、現場に合わせた
ブリスター包装機づくりをしている、
ブリスターパック・ラボのけたろーです。

ここでは、ブリスター包装や周辺工程のことを
できるだけわかりやすく書いています。

さて、今回の話題は…

スーパーで見慣れたカラフルなパッケージが、突然シンプルな白黒になる。「なぜ?」と思った方も多いのだと思います。 背景にあるのは「ナフサ不足」です。

でも、ナフサという言葉を聞いてもピンとこない方がほとんどではないでしょうか?  今回は、ナフサとは何か・なぜ包装現場に影響が出るのかを、包装業界に携わる者として現場目線で整理します。

ナフサって、なに?

そもそもの原油は、地中で長い年月をかけて生成された天然資源です。 プランクトンなどの有機物が地中に堆積し、熱と圧力によって変化したものが原油として採掘されます。 この辺のことは、たぶん、よく知られたことなんだと思います。 

でも、あまり知られていないのが、それ以降のこと。

採掘された原油は、製油所で加熱・蒸留して成分ごとに分けられます。 沸点の低いものから順に分離され、軽い順にガス・LPG、ナフサ、灯油、軽油、重油、アスファルトといった形に分かれていきます。

ナフサはこの中間に位置する「石油化学原料」です。

燃料として直接使うものではなく、ナフサクラッカーという設備でさらに分解することで、エチレン・プロピレンなどの基礎化学品になります。

ナフサがどうやって生成されるのかの図解

そこからさらに加工されて、樹脂・溶剤・インク・フィルム・容器・包装材——つまり、ボクらの身の回りにある「プラスチック製品」のほぼすべての原点になります。

LPGも不足しているのに、なぜナフサの方がニュースになるの?

原油を精製すると、ナフサより先にガス・LPGが分離されます。 ホルムズ海峡の問題では、LPGも影響を受けているはずなのに、なぜナフサの方が大きく報じられるのか? 疑問に思った方もいるかもしれません。 不思議ですよね?

その理由は「取り扱い区分」の差なんです。

燃料か? 原材料か?

LPGやガスは燃料です。 主に、家庭・飲食店・工場等への「エネルギー源」として使われます。 確かに、不足すれば問題は起きますが、代替えや他からの融通でなんとか… 選択肢を立てやすいんです。 端的に言えば、燃料用途なので、その影響は局所的だと言えます。

一方のナフサは「プラスチックを作るための原材料」です。

ナフサを起源として、エチレン・プロピレンなどの素材、樹脂・溶剤・接着剤・塗料・インキ、包装材料・フィルム・容器・樹脂部品・建材… さまざまなものが作られます。 ナフサがなければ、そういったものが、そもそも「つくれない」という事態につながります。 

つまり、ナフサが適用されている範囲が広すぎるので、その影響も大きくなってしまうというわけです。 これが、ナフサ不足が製造業や包装業界に深刻な影響をもたらしている理由です。

原油・石油製品の物流不安を描いたイラスト

カルビーのパッケージが白黒になった理由

食品パッケージの袋にカラー印刷を施すには、グラビア印刷という方式が使われています。

この印刷に使うインクは、顔料(色材)と溶剤・樹脂の組み合わせでできています。 溶剤も樹脂も、原料はナフサです。

カラー印刷では複数の色のインクを重ねるため、多種類の溶剤・樹脂が必要です。 ナフサ不足によってこれらの調達が不安定になると、多色刷りの継続が難しくなります。 一方、白黒2色であれば使用するインクの種類が大幅に減ります。

限られた在庫でも生産を続けることができる。 カルビーが「パッケージの色を2色にする」という判断をしたのは、「商品を店頭に並べ続けること」を優先したあらわれです。

商品をどうやって、維持して、継続させるか? 

慣れ親しまれてきた「カラー」を捨てるのは、おそらく、苦渋の決断だったのだと思います。 味・内容量・品質は変わらず、変えたのは、届け続けるための選択だったということです。

なお、伊藤ハム米久ホールディングスも同様のシンプル包装への切り替えを検討していると報じられていて、今後、食品業界全体に広がる可能性もあるのかなって。

白黒の採用は珍しいのか?

ボクはまだ、白黒の実物を見たことがないのでアレなんだけど…。 もし、これで通用するのであれば、白黒が主流になる? のかもしれないですよね。 もっとも、カルビーのように、歴史があるメーカーで、かつ、商品への知名度がある場合にはそれが適用できるのかも… 

と… 白黒の… と言えば、ドンキのビールを思い出しました。 ドンキのオリジナルビール。 缶のパッケージは実にシンプルで、缶の素材の色(シルバー)と、ロゴの黒だけ。 「徹底したコストカットにより…」と、ちゃんと、注意書きしてる。

結局のところ、色が変わろうが、どうしようが、それもマーケティングの仕方次第なのかなと思ったりします。

ついでに… ここのところの商品価格の高騰の側面から考えれば、ドンキのような手段で、徹底的に係るコストを見直して、市場に還元していただけると、消費者からすればありがたいですよね。 そこまで対応しても… と言われるのであれば、致し方ないのだけど。 

ブリスター包装への影響

ブリスター包装で使うA-PET・G-PETなどの樹脂シートも、原料をたどればナフサです。 さらに台紙への印刷に使うインク・溶剤、ホットメルト(接着剤)も同様です。

ナフサ不足の影響は「樹脂が高くなる・入りにくくなる」だけではなく、包装を構成するすべての材料——樹脂・台紙・インク・接着剤——が連鎖的に影響を受けるということです。

包装材料自体がダメージを受けているという現状を考えれば、包装業界全体の問題だともいえます。 

材料が変わっても、現場を止めないために

ブリスターパック・ラボこと、大青鉄工は、資材メーカーでも材料商社でもありません。 ブリスター包装機・省力化装置をつくる会社です。

材料が変わっても、現場が止まらない形をつくること——機械側からできることを一緒に考えることが、大青鉄工の役割だと考えています。

「今の機械で代替材に対応できるか確認したい」「台紙二重化への切り替えを検討している」そういった段階でも構いません。まずは話を聴かせてください。

※ 無理な営業や契約を前提としたご案内は行っていません。
※ 大青鉄工のフォームサイトへジャンプします。

ナフサがどうやって生成されるのかの図解

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Written By

けたろーのアバター けたろー 包装機械相談士/時短設計®士。

包装機械相談士/時短設計®士。

ブリスター包装機と向き合い続けて約40年。
人海戦術が前提になりやすいこの業態で、
機械・設計・使われ方の視点から
現場の改善に関わってきました。

ブリスターパック・ラボでは、
装置そのものではなく、
「現場でどう使われるか」までを含めて考えています。

無理のない作業、
止まらない工程、
続けられる包装。

このサイトが、
現場と向き合うための
対話の入口になれば幸いです。