もし、ブリスター包装機の導入を検討しているなら、まず機械の話をするより前に整理しておいてほしいことがあります。
こんにちは。
大阪・柏原市で、現場に合わせた
ブリスター包装機づくりをしている、
ブリスターパック・ラボのけたろーです。
ここでは、ブリスター包装や周辺工程のことを
できるだけわかりやすく書いています。
さて、今回の話題は…
長く現場に関わってきて、何度も見てきた光景があります。
機械を入れたのに、なぜか現場が回らない。突き詰めていくと、原因のほとんどは、機械じゃなかった…。
機械を入れる前の「整理」が足りないまま進むと、どこかにムリが残ります。だからボクは、まず話を聴くことから始めます。
今回は、機械を入れる前にすべきポイントをお伝えしますね。
まず…
① 現状の作業人数と工程を、正確に把握する
ボクが現場を見せてもらって、まず見るのが作業者の人数です。
「作業を何人でやっていますか?」
を聞くと、意外と正確に答えられない現場が多いです。
直接、機械への作業している人数だけを数えていて、段取り・検品・補充・片付けをしている人を見落としているケースがよくあります。確認すべきことは、まっさきには、作業の把握。
ブリスター包装を完成させて、出荷するまでにどんな作業を行っているのか?
その作業の全部を把握したうえで
- 直接機械で作業している人数
- 段取り・品種替えに関わる人数
- 検品・箱詰めに関わる人数
- 補充・片付けに関わる人数
全部合わせて「何人工かかっているか」を把握しておかないと、省人化の目標が立てられません。
機械を入れてから「思ったより人が減らなかった」という話は、たいていここの把握が甘かったことが原因です。
② 何を「解決したいのか」を明確にする
省人化・品質安定・生産量アップ・コスト削減。
これらは全部、ブリスター包装機を導入する理由になり得ます。ただ、目的によって最善の機械の構成は変わります。
目的が「省人化」なら、
⇒ 自動供給・自動取り出しの構成を優先
目的が「品質安定」なら
⇒ シール条件の再現性・検査工程の整備を優先
目的が「生産量アップ」なら
⇒ サイクルタイムと稼働率の改善を優先
「とにかく自動化したい」という漠然とした目的で進むと、どれも中途半端になります。「何が一番しんどいのか」を現場の人に聞いてみてください。あるいは、現場を観察してみて、なにが一番しんどそうに見えるか?
答えはそこにあります。
③ 資材(ブリスター容器・台紙)の品質を確認する
実は、これが一番見落とされやすいポイントです。
手作業の半自動機では「だましだまし」できていた資材の品質問題が、全自動化で一気に顕在化します。
実際にこういうことがありました。
自動供給装置を組み込んだ機械を納品したあと、ブリスター容器の積み重なりがうまくいかない・台紙の吸着具合がまずいなどのトラブルが相次いだことがあります。原因を調べると、容器の成形精度、外形精度のばらつきと台紙の反り、厚み、素材のばらつきでした。
確認すべきことは、
- ブリスター容器の成形精度(厚みのばらつき・反り)
- ブリスター容器の外形精度(外形の大きさ)
- 台紙の反り・湿気による変形
- 台紙の厚み・紙質
- ホットメルトの塗布状態と均一性
- インク(台紙印刷)と熱の相性
こと、最近では包装資材を海外から輸入されているところも多くなっています。
また、国内産であったとしても、経費削減の流れで素材の質を落とす、あるいは工程を省くなどの方法をとられている可能性は否めないです。
機械が良くても、資材が悪ければ機械は止まります。自動化を成功させるカギは機械だけでなく、投入する資材の管理を徹底することにあります。
④ 設置スペースと搬入経路を、事前に確認する
「機械を置くスペースは確保しています。」と言われるなかで、見落とされがちなのが、その設置場所までの搬入経路です。

設置したいと言われる場所を実際に見せてもらうと、確かに、十分なスペースは確保されていて設置するには問題はない。でも、そこまでのルートを確認すると、どうやって運べばいいのか、悩ましいケースも多々ありました。
例えば、「2階に置きたいのだけど…」というケースで搬入経路の取り合いが難しいというのがあります。
実際に対応した事例では、2階への搬入がリフトのみという制約がありました。そのため、機体をリフトに載せられるサイズでコンパクト設計する必要がありました。
搬入経路のほかには、搬入口の問題もあります。搬入口とは、その場所の入り口のことです。海外に納めた際に、機械が到着したものの、確認していただいていた間口が狭くて急遽、入り口を壊して広げたということがありました。
搬入経路や搬入口の問題は、機械設計時の制約条件につながります。まず、確認すべきことは、
- 設置場所の床面積・天井高
- 搬入経路(廊下幅・ドア幅・段差・エレベーターの有無)
- 搬入口のサイズ
- 床の耐荷重
- 電源の位置と容量(単相・三相・アンペア)
- エアーの有無(コンプレッサーの有無、配管)
これらを事前に確認しておかないと、機械ができてから「入らない」という事態になります。図面だけで進めず、現場を実際に見てもらうことが大事です。
⑤ 「誰が使うか」を考えて設計する
機械は、使う人がいてナンボです。
どれだけ性能が高くても、使う人が使いこなせなければ意味がありません。
現場には、パートスタッフ・高齢のベテラン・外国人スタッフなど、さまざまな人が関わっています。操作のしやすさ・段取り替えのしやすさ・清掃のしやすさ・メンテナンスのしやすさ、これらを含めて設計して初めて「現場で使われ続ける機械」になります。導入前に確認しておきたいことは、
- 主に誰が操作するか
- 段取り替えの頻度と品種数
- 清掃・メンテナンスを誰が担当するか
- 故障時の対応はどうするか
ポイントは、実際に使う人を交えて、機械の仕様や運用方法を考えていくということです。「機械を入れること」がゴールではありません。現場で使われ続けることがゴールです。
まとめ
ブリスター包装機の導入を検討しているなら、まず機械の仕様を決める前にこの5つを整理してみてください。
- 現状の作業人数と工程を正確に把握する
- 何を解決したいのかを明確にする
- 資材の品質を確認する
- 設置スペースと搬入経路を確認する
- 誰が使うかを考えて仕様・運用を考える
ここまで、読んでくれてありがとうございます。
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